心理療法の種類一覧【特徴・違い・効果まとめ】

心理療法の種類一覧【特徴・違い・効果まとめ】

この記事では特徴や効果の違いも交え、心理療法の種類を一覧にまとめて紹介します。

「心理療法にはどんな種類があるの?」
「どの心理療法が自分に合っているだろう…」

心理療法という存在を知り、対話を通じて悩みを解消したいと考える方は多いですよね。

心理療法は専門家との対話を通じて、悩みや心理的な要因による症状を解消する治療法です。そんな心理療法は複数の種類に分かれているため、自身に合った方法を選んで悩みを解消する必要があります。

そこで本記事では、代表的な心理療法の種類を紹介します。種類ごとの特徴や効果の違いなども解説するので、ぜひ参考にしてください。

この記事の要約
  • 心理療法には認知行動療法や交流分析などの8つの治療法がある
  • 同じ悩みを分かち合える相手に相談したい方には、ピアカウンセリングがおすすめ
  • 悩みの内容や将来的なビジョンなどを踏まえて、自分に合う心理療法を選ぶべき
目次

代表的な心理療法の種類8つ

さっそく代表的な心理療法の種類を、8つにまとめて紹介します。

認知行動療法

特徴思考や行動の側面から精神面の改善を図る方法
メリット思考の偏りが軽減できる
デメリット同じ課題に再度直面するリスクがある
おすすめな人課題の解消より心の改善を図りたい人
効果の違い幅広い悩み・症状に対応できる

1.認知行動療法

特徴思考や行動の側面から精神面の改善を図る方法
メリット思考の偏りが軽減できる
デメリット同じ課題に再度直面するリスクがある
おすすめな人課題の解消より心の改善を図りたい人
効果の違い幅広い悩み・症状に対応できる

認知行動療法は課題の解決を目的とせず、思考や行動の側面から精神面の改善を図る治療法です。多くのカウンセリングサービスでは、認知行動療法が用いられており、幅広い悩み・症状に対応しています。

認知行動療法では、心理学に基づく専門的な知識を持つカウンセラーが、相談者の抱えている悩みや状況を整理します。相談者の状態を分析したうえで、思考や行動に関するアドバイスが受けられるため、自己成長につなげやすいです。

ただし認知行動療法は、間接的に課題を解消する方法なので、同じ課題に再度直面するリスクがあります。

課題の解消より心の改善を図りたい方は、認知行動療法を検討しましょう。

​2​.交流分析

特徴テストを受けて自身の性格を正しく把握し、課題解決に向けて行動を変えていく方法
メリットセルフケアしやすくなる
デメリット自分自身に向き合うメンタルの強さが求められる
おすすめな人自分の心の向き合い方を知りたい人
効果の違い自分の考え方・性格が理解・改善しやすい

交流分析はテストを受けて自身の性格を正しく把握し、課題解決に向けて行動を変えていく治療法です。

認知行動療法が相談者の思考や行動などの改善案を、カウンセラーが提案する方法なのに対し、交流分析は自分自身で思考や性格を理解する方法です。交流分析ができるとセルフケアで自己成長を促しやすくなり、カウンセラーは交流分析をサポートします。

しかし交流分析は、自分で悩みに向き合う傾向が強く、メンタルの強さが求められます。

メンタルの強さが求められる点を理解したうえで、自身の心の向き合い方を知りたい方は、交流分析を検討しましょう。

3.家族療法

特徴家族との関係のなかで生じる問題を、家族と共に相談する方法
メリット家族や友人との関係を深めるきっかけになりやすい
デメリット親と子供の課題から、夫婦間の課題に発展することもある
おすすめな人人間関係で悩んでおり、相手と一緒にカウンセリングを受けたい人
効果の違い他者が関わる悩みに特化した治療ができる

家族療法は家族との関係のなかで生じる問題を、家族と共に相談する治療法です。

家族療法は学校や、職場の相手に対する悩みでも相談できます。相談者本人だけでなく、他の人が関わると発生する悩みに対して、治療効果を発揮します。

認知行動療法や交流分析などでも、人間関係に関する悩みの相談は可能です。しかし家族療法を利用すると、複数の立場の意見・気持ちが参考にでき、カウンセラーからより的確なアドバイスが受けられます。

家族療法を受けると、家族や友人との関係を深めるきっかけが作りやすいです。ただし家族療法によって、別の人物間の悩みが新たに浮上するリスクもあります。

人間関係で悩んでおり、相手と一緒にカウンセリングを受けたい方は、家族療法を検討しましょう。

4.ピアカウンセリング

特徴同じ悩みを抱える相手に相談する方法
メリット同じ立場の相手なので、気軽に相談しやすい
デメリット専門性に長けたアドバイスが受けにくい
おすすめな人同じ悩みを分かち合える人に相談したい人
効果の違いリラックスしやすいため、繰り返し相談しやすい

ピアカウンセリングは、同じ悩みを抱える相手に相談する治療法です。

専門家ではなく同じ立場の相手に相談することで、リラックスして話せます。またカウンセリングに対する心理的ハードルが下げられるため、楽な気持ちで繰り返し相談できます。

しかしカウンセラーには心理学の専門的な知識がないため、専門性に長けたアドバイスが受けられません。

課題解消以上に、同じ悩みを分かち合える相手への相談を優先したい方は、ピアカウンセリングを検討しましょう。

なおピアカウンセリングで得られる効果や利用時の流れなどを詳しく知りたい方は、次の記事を参考にしてください。

また利用するピアカウンセリングサービスとして、会員専用コミュニティが使える「nicot+(にこっとプラス)」がおすすめです。

1対1での相談だと緊張する方でも、コミュニティの参加者同士で、いつでも自由に不安な気持ちを共有できるなら、安心して話しやすいです。

同じ立場の相手に悩みを相談したい方は、不安・パニック障害に悩む7万人の方が参加する、「nicot+(にこっとプラス)」のオンラインサポートコミュニティにご参加ください。

5.催眠療法

特徴催眠状態にしてからカウンセリングをする方法
メリット潜在的な気持ちが引き出しやすい
デメリットカウンセラーの技量に差があり、費用が高くなりやすい
おすすめな人本音を話すのが難しい人
効果の違いトラウマの浄化にも効果が期待できる

催眠療法は相談者を催眠状態にしてから、カウンセリングをする治療法です。催眠状態とは薬や暗示などで、現実世界の感覚が鈍化し、想像の世界に入った状態です。

催眠状態に入ると理性が薄れ、心の奥底に抱えている潜在的な気持ちが引き出しやすくなります。

しかし催眠療法には高い技術力が求められ、カウンセラーの高いスキルが求められます。さらに催眠療法は希少性の高い治療法なので、費用が高くなりやすいです。

高い技量やコストがかかることを理解したうえで、本音を話したくてもうまく話せない方は、催眠療法を検討しましょう。

6.箱庭療法

特徴人形や物を使って、箱庭の中に相談者が置かれている状況や悩みの気持ちを具現化する方法
メリット言語化しづらい悩みも相手に伝えやすい
デメリット統合失調や重い鬱などの症状が見られると使えない
おすすめな人言葉で悩みを伝えるのが不安な人
効果の違い客観的な視点から気づきが得やすい

箱庭療法は人形や物を使って、箱庭の中に相談者が置かれている状況や悩みの気持ちを具現化する治療法です。

コミュニケーションが取れないほど悩みが重症化している方もいます。箱庭療法を用いると、言葉が話せない状況でも、相談者が置かれている状況がカウンセラーに伝えられます。

ただし統合失調や重い鬱などの症状が見られると、箱庭は構築できません。

認知機能は正常に働いているものの、言葉で悩みを伝えるのが不安な方は、箱庭療法を検討しましょう。

7.訪問カウンセリング

特徴カウンセラーが自宅に訪問してカウンセリングをする方法
メリット自宅から出られない人でも、対面でのカウンセリングが受けられる
デメリット手間やコストがかかる
おすすめな人引きこもりや身体障害などで外出できない人
効果の違い幅広い悩み・症状に対応できる

訪問カウンセリングはカウンセラーが自宅に訪問して、カウンセリングをする治療法です。

心理療法のアプローチ自体は、認知行動療法と変わりません。しかし心理療法の手段は、他の治療法と異なります。

訪問カウンセリングは自宅から出られない人でも、対面でのカウンセリングが受けられます。たとえば引きこもりや身体障害などの課題を抱えている方は、訪問カウンセリングを利用すると、自宅にいながら本格的な悩み・症状の解消が進めやすいです。

ただしカウンセラーに自宅に来てもらう必要があるため、手間やコストがかかります。

8.オンラインカウンセリング

特徴ビデオ通話を通じてカウンセリングをする方法
メリット自宅から気軽に相談できる
デメリット相手の表情がわかりにくい
おすすめな人自宅で気軽に相談したい人
効果の違い幅広い悩み・症状に対応できる

オンラインカウンセリングは、ビデオ通話を通じてカウンセリングをする治療法です。

ビデオ通話を用いると、自宅から遠隔でカウンセラーと相談できます。自宅からでないと相談できないものの、手間やコストはかけられない方でも、オンラインカウンセリングなら悩みが話しやすいです。

しかしオンラインカウンセリングは、画面を介しての相談で相手の表情が伝わりにくく、カウンセラーがアドバイスに悩むこともあります。

正確なアドバイスが受け取れないリスクはありつつも、まずは自宅で気軽に相談したい方は、オンラインカウンセリングを検討しましょう。

なお感染症拡大以降普及しつつある、オンラインカウンセリングの詳細を知りたい方は、次の記事を参考にしてください。

心理療法によくある疑問

最後に心理療法へよくある質問に、まとめて回答します。

  • 心理療法は保険適用される?
  • 心理療法と精神療法の違いは?

心理療法は保険適用される?

心理療法は保険が適用されません。言葉を用いて利用者の思考・行動の変化を促す行為は、医療行為に該当せず、治療費は全額自己負担となります。

ただし精神科医がカウンセリング行為をしている場合は、健康保険が適用される場合があります。カウンセラーに相談する前に、保険が適用されるか確認しておくと、料金負担を抑えて悩みが相談しやすいです。

なお、保険適用されるオンラインカウンセリングを詳しく知りたい方は下の記事を参考にしてください。

心理療法と精神療法の違いは?

心理療法と精神療法の間には、カウンセラーの立場やアプローチなどの違いがあります。

スクロールできます
治療法心理療法精神療法
カウンセラーの立場心理療法カウンセラー
セラピストなど
精神医学を専門とする医師
アプローチ対話して相談者の悩みに寄り添う解決法を提案対話して学術的な理論に基づく解決法を提案
具体的な治療法カウンセリング
認知行動療法など
力動的精神療法
行動療法的精神療法など

心理療法はカウンセラーやセラピストが、相談者の悩みに寄り添った解決法を提案します。一方で精神療法は、精神医学を専門とする医師が、学術的な理論に基づく解決法を提案します。

精神療法のほうが精神的な症状の治療に対する側面が強く、悩みの相談を優先したい方には向いていません。

まとめ

心理療法の種類をおさらいしましょう。

  • 心理療法には認知行動療法や交流分析などの8つの治療法がある
  • 同じ悩みを分かち合える相手に相談したい方には、ピアカウンセリングがおすすめ
  • 悩みの内容や将来的なビジョンなどを踏まえて、自分に合う心理療法を選ぶべき

心理療法には8つの治療法があり、悩みの内容や将来的なビジョンなどの観点で、特徴やメリット・デメリットなどがそれぞれ異なります。

たとえばピアカウンセリングは、同じ立場の相手に気軽に相談できるため、同じ悩みを分かち合える相手に相談したい方におすすめです。

自分の抱える悩みの内容や将来像に合わせて、自分に合う心理療法を選んで、悩み・症状の解消を目指しましょう。

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この記事を書いた人

【プロフィール】
カウンセリングを受けようとしている人に向け、心理カウンセリングや栄養カウンセリング、心理療法・栄養療法などに関する情報を網羅的に提供。生活にお役立ていただけるよう、わかりやすく読みやすい解説文章の執筆を心がけております。
【専門分野】
心理カウンセリング/栄養カウンセリング/心理療法/栄養療法

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