セラピストになるには?未経験から目指す全手順

セラピストになるには?未経験から目指す全手順

「セラピストになるにはどうすればいいの?」
「何から始めればいいのかわからない…」

セラピストになりたい気持ちはあるものの、どう目指せばいいのかイメージが湧かない方は多いですよね。

具体的な手順があいまいなまま目指しはじめては、かけた時間や費用を無駄にしかねません。

そこで本記事では具体的な手順も交え、セラピストになる方法を解説します。この記事を読めば、セラピストになる道のりが明確になりますよ。

この記事の要約
  • 目指す職種や理想の働き方のイメージを持とう
  • 独学でもセラピストとして働くことは可能
  • セラピストの働き方には就業・副業・独立がある

本記事の要点を音声でチェック!

目次

セラピストを目指す前の確認ポイント4つ

はじめに次のトピック別で、セラピストを目指す前の確認ポイントを解説します。

なりたい理由

セラピストを目指す前の確認ポイント なりたい理由

セラピストを目指すうえで「なぜなりたいのか」を明確にしておくことが重要なポイントの1つです。なぜなら、理由が曖昧なままでは、勉強中や就職後にギャップを感じ、後悔する可能性があるためです。

たとえばなりたい理由には、下記のようなものが挙げられます。

  • 子育て中の母親の心理負担を軽くしたい
  • 仕事のストレスで悩む方の力になりたい
  • 孤独を感じている高齢者に寄り添いたい
  • 自分自身が支えられた経験を誰かに返したい

なりたい理由が明確でなければ、学習の目的を見失いやすくなります。理想と現実のギャップに悩み、集客につながらず仕事として継続できない場合もあります。

セラピストになって何をしたいかが明確であれば、学ぶ内容や働き方が自然と定まります。結果として、安定したセラピストとしての活動につながるのです。

セラピストへの理解度

セラピストを目指す前の確認ポイント セラピストへの理解度

目指す前には、セラピストへの理解度も深めておきましょう。十分に理解しないまま学ぶと、自分に合わない分野を選び、資格を活かせなくなる可能性があるためです。

前提として、セラピストはいくつかの職種にわかれており、それぞれ仕事内容や年収が異なります。

スクロールできます
セラピストの種類職種主な仕事内容平均年収
心理系公認心理士
臨床心理士
・心理検査
・カウンセリング
・学校や医療機関での相談支援
450~550万円程度
リラクゼーション系アロマセラピスト・アロマやマッサージによる
リラクゼーション提供
・体調管理サポート
350~400万円程度
メンタルヘルス系産業カウンセラー
メンタル心理カウンセラー
・企業や個人向けの
メンタル支援
・ストレスケア指導
経験や実績に
左右される

カウンセラーや心理セラピストとして安定収入を得たい場合は、国家資格や専門資格の取得が近道です。専門の心理系資格は、年収も比較的高い傾向にあります。

一方、民間資格や無資格のセラピストは、給与水準が低くなりやすい傾向です。そのうえで活動するには、実務経験や経営スキルを高めて信頼を得ることが欠かせません。

下の記事では、心理カウンセリングに必要な資格を難易度や取得方法ごとにまとめているので、参考にしてください。

目指す職種

セラピストを目指す前の確認ポイント 目指す職種

目指す職種を明確にしておくことも、欠かせないポイントです。なぜなら、目指す職種を明確にしなければ手順を誤り、時間や費用を無駄にしてしまう恐れがあるためです。

セラピストによって、資格の必要性や就業難易度、学習内容は下記のように異なります。

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目指す資格の例就業難易度
資格の必要性
学習内容の例
公認心理士
臨床心理士
・高
・資格が必須
・心理学の基礎
・発達心理
・精神医学
・カウンセリング技法など
アロマセラピスト
リフレクソロジスト
・中程度
・資格で信頼性が向上
・解剖生理学
・精油の特性
・トリートメント技術
産業カウンセラー
メンタル心理カウンセラー
・低~高
・資格に左右される
・カウンセリング理論
・傾聴スキル
・ストレスマネジメントなど

たとえば、公認心理士や臨床心理士などの心理系専門職を目指す場合、大学院への進学が必須です。高度な知識や倫理、技術などが求められるため、独学では取得できません。

一方、アロマセラピストやメンタル心理カウンセラーなどは、独学や養成スクールで取得できます。対象者の心身のケアやリラクゼーションが中心で、副業やスキルアップの一環として学ぶ人も少なくありません。

同じセラピストでも、難易度や学習内容はそれぞれ異なります。人を支える理由や働くイメージを明確にすると、効率的な学習やキャリア形成が可能です。

目標にする職種を決め、逆算して学習の計画を立てましょう。

理想の働き方

セラピストを目指す前の確認ポイント 理想の働き方

セラピストになる前に明確にしておきたいポイントの1つが、理想の働き方です。なぜなら働き方が具体的だと、学ぶスキルや働く場所、継続的なキャリアまで考えやすくなるためです。

セラピストの働き方には「就業」「副業」「独立」があり、それぞれメリットやデメリットが異なります。

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メリットデメリット
就業・教育やサポート体制がある
・安定した収入と福利厚生が得られる
・勤務時間やサービスに
会社の制約がある
・自由な働き方が難しい
副業・本業の収入があるため
金銭的リスクを抑えられる
・独立に向けた準備ができる
・本業や家庭との時間の両立が難しい
・精神的、身体的な負担が増える
独立・働く場所や時間を自由に決められる
・サービスや料金設定を自分で設計できる
・収入が不安定
・福利厚生がない
・集客や経理などの負担が生じる

独学でセラピストを目指す場合は、副業から始めるルートがおすすめです。リスクを抑え、実績を積みつつ独立を検討できるため、現実的なキャリア形成ができます。

どの働き方を選ぶかによって、経験の積み方が異なります。途中で方向転換しなくて済むように、最初の段階で具体的なイメージを描いておきましょう。

セラピストを目指す3つの方法

ここからはセラピストを目指す方法を、3つにまとめて解説します。

大学・大学院に進学する

セラピストを目指す方法 大学・大学院に進学する

セラピストを目指す方法の1つが、大学や大学院に進学することです。次のようにセラピストの中には、大学や大学院に進学しなければなれない職種があります。

  • 公認心理士(国家資格)
  • 臨床心理士(高度な民間資格)

高度な心理専門職を目指すには、指定の養成大学院や専門職大学院の修了が求められます。「大学卒」だけでは受験資格が得られず、大学院の修了が必要です。

通学には費用と時間がかかりますが、修了すれば公的機関や病院、学校など幅広い職場で活躍できます。信頼性が高く、収入も安定している点は大きなメリットです。

なお、就業しながら進学する場合は、社会人を対象とした通信制大学院も利用できます。

大学や大学院に進学すると、信頼や安定性の高いセラピストが目指せます。

資格取得を見据え独学する

セラピストを目指す方法 資格取得を見据え独学する

資格取得を見据えた独学も、セラピストを目指す有力な方法の1つです。進学が必須でない職種の場合は、独学でも必要な知識やスキルを習得できます。

たとえば、リラクゼーション系や民間資格の心理カウンセラーなどが該当します。

独学で資格取得を目指すメリットやデメリットを、下記にまとめました。

独学で資格取得を目指すメリット・自分のペースで学習を進められる
・学習費用を抑えられる
・大学院へ進学が難しくてもキャリアチェンジが可能
独学で資格取得を目指すデメリット・実技や実践のフィードバックが得られない
・知識や技術に偏りが出やすい
・自己流になりやすい

独学のメリットは、費用を抑え、自分のペースで学べる点です。一方、デメリットは技術が自己流になりやすく、時間の確保やスキルアップが難しい点です。

予防策として、独学で得た知識やスキルは、実技セミナーや現場での指導で高めることをおすすめします。資格取得を見据えた独学には、高い自己管理能力と、実践的な学びを取り入れる姿勢が欠かせません。

セラピストの養成スクールに通う

セラピストを目指す方法 セラピストの養成スクールに通う

セラピストの養成スクールに通うことも、目指す方法の1つです。実技の習得に集中できるため、短期間でプロを目指せます。

下記に、セラピストの養成スクールに通うメリットやデメリットをまとめました。

養成スクールに通うメリット・短期間で資格が取得できる
・心身の知識やコミュニケーションスキルが学べる
・未経験でもキャリアを築きやすい
養成スクールに通うデメリット・入学金や受講料が発生する
・実技指導やサポートが整っていない場合がある
・時間の制約が生じる

技術以外には、心身にかかわる知識や信頼を築くコミュニケーションが学べます。

資格取得のサポートや就業フォローも対応しているため、未経験でもキャリアを築きやすいといえます。

一方、数万円~数百万円の費用が発生することは、デメリットです。スクールのカリキュラムやサポート体制にもそれぞれ差があるため、選ぶ際には十分に下調べをしましょう。

セラピストが目指せるおすすめスクールをより詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

セラピストになる目指し方

ここからは目指す職種や働き方が決まっている場合に、独学でセラピストになる方法を6つのステップで解説します。

ステップ1:セラピーの基礎知識を学ぶ

セラピストになる目指し方 ステップ1:セラピーの基礎知識を学ぶ

まず、セラピーの基礎知識を学びましょう。

ここでいう基礎知識とは、次のようなクライアントを理解し、安心してもらうための知識や価値観を指しています。

学ぶ理由
カウンセリングの基本原則クライアントの話を評価せずに聴き、共感的に受け止め、安心して話せる関係を築くため。
情報の守秘義務クライアントが安心して悩みを打ち明けられるよう、個人情報を適切に扱う姿勢を習得するため
危険が予想される場合の対応法自傷や他害など精神的危機のサインに早期に気づき、適切な支援につなげるため

基礎知識がなければ、クライアントの状態を正しく判断できず、信頼関係を築けない恐れがあります。上記のような知識を身につけることで、臨床の場での判断力や倫理観を高め、より的確な支援ができます。

これらの内容は、専門家が執筆した書籍や、講座やセミナーなどの基礎コースで学べます。特に、倫理的な考え方や危機的対応のスキルは、実務に入る前に身につけておくと大きなトラブルを防げます。

基礎的な知識のなかにこそ、セラピストの重要な価値観や考え方が含まれているのです。

ステップ2:心理学の基礎を学ぶ

セラピストになる目指し方 ステップ2:心理学の基礎を学ぶ

心理学を学ぶことも、セラピストを目指すために欠かせない1つです。心理学の基礎とは、人間の感情や行動、心の仕組みを理解する土台のことです。

具体的には、次の分野を学ぶと理解が深まります。

  • 臨床心理学:人間の認知や感情を理解する
  • 社会心理学:他人との関係を理解する
  • 発達心理学:ライフステージごとの特徴を学ぶ

イラストや図解を多く取り入れた「よくわかる心理学」や専門用語の少ない書籍がおすすめです。初心者向けでも、専門的な内容がわかりやすくまとめられていますよ。

心理学の知識を持つと、セラピー技術の根拠が理解できます。因果関係を理解できれば、治療の場面でも自分流にならず、科学的根拠を持った介入が可能になります。

ステップ3:目指す職種にそう資格を取得する

セラピストになる目指し方 ステップ3:目指す職種にそう資格を取得する

次に、目指す職種にそった資格を取得しましょう。独学の場合、進学によって取得できる国家資格はないため、他者からの信頼性を高めるには次のような民間資格の取得が有効です。

目指す職種役立つ資格取得方法
アロマセラピストAEAJ認定アロマセラピスト通信講座やスクール修了後に認定試験を受験
リフレクソロジストJREC認定リフレクソロジストスクール修了後に認定試験
メンタル心理カウンセラーJADP認定メンタル心理カウンセラー
メンタルケア心理士
通信講座や通学で取得可能

たとえばメンタルヘルス分野では、資格の保有が心理学の知識・スキルを持っているという証明になります。

ほとんどの民間資格では、通信講座を修了すれば受験資格が得られ、自宅で試験を受けることができます。資格の取得はゴールではなく、身につけた知識を証明するための第一歩と考えることが大切です。

ステップ4:セラピーの技法を身につける

セラピストになる目指し方 ステップ4:セラピーの技法を身につける

次に、セラピーの技法を身につけましょう。セラピストとして信頼されるためには、知識だけでなく次のような実践スキルの習得が必要です。

  • 傾聴スキル
  • カウンセリング技法
  • 認知行動療法(CBT)や心理療法
  • アロマトリートメントやリフレクソロジーなどの実技

技法を身につけると、クライアントが安心し、リラックスして治療を受けられるようになります。結果として自然と信頼関係が生まれ、継続したサポートが可能になります。

独学ではフィードバックが得にくく、スキル習得が困難になりやすい傾向です。そのため講師指導やワークショップ、実践経験を通じて学ぶことがおすすめです。

技法の習得は、サービスの質やクライアントからの信頼構築にもつながります。

ステップ5:現場で実務経験を積む

セラピストになる目指し方 ステップ5:現場で実務経験を積む

次に、現場で実務経験を積みましょう。独学で安定した収益を得るには、現場での経験が不可欠です。

現場での実務を通して学べるのは、施術スキルだけでなく、次のように独立に必要なノウハウも含まれます。

  • クライアントへの個別対応
  • 予約・実績の記録や管理
  • リピートにつながるコミュニケーションスキル
  • トラブル発生時の対応

経験を積むには、サロンや整体院で職員として勤務し、さまざまなクライアントと接することがおすすめです。先輩セラピストや経営者から直接フィードバックを受けられ、独学では得られない体験ができます。

自分の得意や不得意も明確になるため、将来のサービス設計に役立ちます。実践で得られる経験を積み重ね、サービスの土台作りに努めましょう。

ステップ6:希望する働き方に向けて動き出す

最後に、希望する働き方に向けて動き出しましょう。セラピストの働き方は、大きく「就業」「副業」「独立」にわけられ、それぞれ目指し方が異なります。

ここからはそれぞれの目指し方を解説します。

就業の目指し方

セラピスト就業の目指し方

セラピストとして就業するには、資格や経験を積み、計画的に就職活動を進めましょう。資格や実務経験があると即戦力として評価されるため、希望する条件で採用されやすくなります。

具体的な手順は下記のとおりです。

  1. 目指す職種に応じた資格を取得する
  2. ボランティアや実習などで実務経験を積む
  3. ハローワークや求人サイトで募集状況を確認する
  4. 給与や福利厚生、教育制度などを比較し応募先を決める
  5. 面接では資格と経験をアピールする

資格と経験、求人情報を活用すれば、安定した就業が可能です。

副業セラピストの目指し方

副業セラピストの目指し方

副業セラピストを目指すには、資格取得や実務経験、活動場所を計画的に確保しましょう。本業と両立するため、方法を間違えると負担が大きくなり、十分に活動できない可能性があります。

副業を始める具体的なステップは、下記のとおりです。

  1. 本業の就業規則で副業の可否を確認する
  2. 副業に必要な資格やスキルを習得する
  3. レンタルスペースやオンラインサービスで活動場所を確保する
  4. ターゲットを絞り、自分のペースで実績や口コミを積む

本業もあるため負担は大きいですが、収入を確保しながら活動できる点は魅力です。

資格取得や実践、活動の場所を整えれば、副業セラピストとして働けます。

独立の目指し方

セラピスト独立の目指し方

セラピストとして独立するには技術だけでなく、経営や集客、事務手続きも整える必要があります。独立に向けた具体的なステップは、次のとおりです。

STEP
事業設計を行う

・ターゲットや提供サービスを決め、相場に合った料金を設定する

STEP
実務経験を積む

・実践で経験を増やす

STEP
集客の準備をする

・SNSやブログ、予約フォームを使った集客ルートを構築する

STEP
事務手続きを準備する

・開業後1カ月以内に開業届を提出する
・税制上の優遇を受ける場合は青色申告承認申請を提出する・施術中のトラブルに備え、職業賠償責任保険に加入する

STEP
小規模で始める

・少人数から始めて、徐々に拡大し収入と活動を安定させる

独立を目指すには、順にステップを踏み、具体的に行動することがポイントです。

セラピストの開業方法をより詳しく知りたい人は、下の記事を参考にしてください。

まとめ

本記事では、セラピストになるための確認ポイントや、目指す方法を解説しました。セラピストが活躍するには、資格取得以外に、学び方や働き方など知っておくべきポイントが多数あります。

特に独学で進める場合は、企業や先輩セラピストのサポートを得ることでより安定した働き方が可能になります。

解説したステップを参考に、心や体を癒す専門職として、あなただけのキャリアを描いてくださいね。

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この記事を書いた人

水本 まほろのアバター 水本 まほろ 作業療法士/Webライター

【プロフィール】
作業療法士として総合病院やクリニック、訪問リハビリテーションなどに勤務しながら、2024年からWebライターとしても活動中。主に企業のオウンドメディアやSNSの執筆を担当し、臨床の経験を活かした医療や介護、福祉関連の執筆が得意。医療の現場には精神が不安定な患者様が多いことを実感し、「つらい思いをしている方の力になりたい」との想いで執筆に励んでいる。
【専門分野】
医療分野(神経内科/整形外科/精神科/リハビリテーション/老年期)、健康、介護、福祉
【保有資格】
作業療法士
YMAA認証マーク
住環境コーディネータ2級

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