カウンセリングにはどんなメリットがあるんだろう?
カウンセリングを受けると、ストレスや不安が解消されるのかな?
受けてみたい気持ちはあるものの、実際にカウンセリングで相談しようか悩んでいる人は多いですよね。
カウンセリングは、心のケアを必要とする人にとって大きな助けとなる反面、効果には個人差があります。
そこで、本記事ではカウンセリングを受けるメリット・デメリットをわかりやすく解説します。どんな人がカウンセリングを受けるべきかも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
- 精神的負担の軽減やストレスへの対処法が学べるのはカウンセリングの大きなメリット
- カウンセラーとの相性が悪いと効果を得られづらい点はカウンセリングにデメリット
- 長い期間にわたりストレスを感じている人はカウンセリングがおすすめ
どんな人がカウンセリングを受けるべきか
メリット・デメリットを知りたい方のなかには、カウンセリングを受けるべきか悩んでいる人もいますよね。
そこで、はじめにカウンセリングが必要な人の特徴を、2つにまとめて解説します。
- 心理的なストレスや不安を抱えている人
- 人間関係を改善したい人
心理的なストレスや不安を抱えている人
長期間にわたり、心理的なストレスや不安を抱えている人は、カウンセリングが必要だと言えます。
なぜなら、仕事や家庭内のプレッシャーによる慢性的なストレスは、うつ病や不安障害に発展するリスクがあるからです。
オックスフォード大学の研究によれば、認知行動療法(CBT:Cognitive Behavior Therapy)がうつ病や不安障害などの問題解決に効果的であると確認されています。
カウンセリングでは、専門家との対話を通じて、問題の根本原因にアプローチすることができます。その結果、具体的な解決策が見つかり、心理的な負担が軽減されるのです。
人間関係を改善したい人
人間関係の改善を目指している人も、カウンセリングが必要だと言えます。
エリクソンの発達理論では、成人期における課題として、人間関係の質の向上が挙げられています。
カウンセリングでは、過去の経験や現在の行動パターンを見直すことができ、前向きな変化につなげることが可能です。
また、コミュニケーションスキルや自己理解を深めることで、長期的に人間関係が改善される可能性が高まります。
カウンセリングを受ける3つのメリット
ここからは、カウンセリングを受けるメリットを、3つにまとめて解説します。
- 精神的な負担の軽減につながる
- 人間関係の改善に役立つ
- ストレスや不安に対処する具体的な方法を学べる
メリット1:精神的な負担の軽減につながる
精神的な負担の軽減につながる点は、カウンセリングを受けるメリットの1つです。
例えば、認知行動療法はカウンセリング手法の一つです。認知行動療法はエビデンスに基づいた実践的なアプローチで、ストレスや不安に効果的に対処できます。
認知行動療法を用いたカウンセリングにより、自己管理能力が向上し、ストレスの解消や不安の軽減が期待されます。
また、カウンセラーとの対話を通じて、自己解決が難しい感情を整理できます。新しい視点を得ることで、心理的なストレスが軽減され、生活の質が向上するのです。
メリット2:人間関係の改善に役立つ
カウンセリングは、人間関係の改善にも役立ちます。
例えば、対人関係療法(IPT: Interpersonal Psychotherapy)は、カウンセリング手法の一つです。
対人関係療法では、他者との関係に焦点を当てて問題を特定し、改善を促すことが可能です。家族や友人、職場の同僚との間で生じる誤解や摩擦を解消することが期待されます。
加えて、健全なコミュニケーション方法を学ぶことで、人間関係が良い方向に改善されます。さらに、対人スキルと感情の理解が深まることで、問題解決力と実践的な方法を学ぶことが可能です。
メリット3:ストレスや不安に対処する具体的な方法を学べる
カウンセリングでは、ストレスや不安に対処する具体的なスキルを身につけられます。
例えば、リラクゼーション技術やマインドフルネスの実践は、科学的に効果が実証されている方法です。カウンセリングを通じてスキルを身につけ、日常生活で活用することで、精神的な安定を保ちやすくなります。
まず、リラクゼーション技術では、深呼吸や筋弛緩法などを学びます。ストレスがかかっている状況でも身体の緊張をほぐし、リラックスする方法を習得することが可能です。
また、マインドフルネスを通じて、今に集中し、不安にとらわれず冷静に判断するスキルを学べます。思考や感情を俯瞰して捉え、ストレスの軽減に繋げることが可能です。
カウンセリングを受ける3つのデメリット
メリットに続き、ここからはカウンセリングを受けるデメリットを、3つにまとめて解説します。
- 費用がかかる場合がある
- すぐに効果が現れない可能性がある
- カウンセラーとの相性次第では効果を得づらい
デメリット1:費用がかかる場合がある
費用がかかる場合がある点は、カウンセリングを受けるデメリットの1つです。
長期で専門的なカウンセリングを受ける場合、頻繁にセッションを継続する必要があります。特に、保険が適用されないケースでは、自己負担額が大きくなることが一般的です。
例えば、1回のセッションが数千円から数万円かかることがあります。月に数回のセッションを続ける場合、年間で多額の費用が必要になる可能性があるのです。事前に費用や保険の適用範囲を確認し、自分に合った選択をすることが重要になります。
なお、無料で受けられるおすすめのカウンセリングを知りたい人は、次の記事を参考にしてください。
デメリット2:すぐに効果が現れない可能性がある
すぐに効果が現れない可能性がある点も、カウンセリングを受けるデメリットといえます。なぜなら、効果は個人の状況や問題の深刻さに大きく左右されるからです。
例えば、長期的な問題やトラウマでは、短期間での改善が難しく、継続的なセッションが必要です。
イギリスの研究によれば、カウンセリングの効果を実感するまでに、複数回のセッションが必要だとされています。厚生労働省の認知行動療法の記述にも、16〜20回程度のセッションの後、必要に応じて延長が必要と説明されています。
そのため、カウンセリングの効果を感じるまでには時間がかかることが多いです。最初のセッションで効果が出なくても、根気よく続けることが重要です。
デメリット3:カウンセラーとの相性次第では効果を得づらい
カウンセラーとの相性が合わない場合、カウンセリングの効果が十分に得られないことがあります。
カウンセリングの効果は、カウンセラーとの信頼関係がベースとなって成り立ちます。よって、相性の良し悪しが治療の成果に直接影響を与えるからです。
例えば、トラウマを抱える人が相性の悪いカウンセラーと続けると、悩みを共有できず心理的負担が増すことがあります。一方、相性の良いカウンセラーと出会うことで、患者は安心して自分を表現でき、治療の進展も早くなるのです。
相性の良いカウンセラーを見つけることが、カウンセリングの成功には不可欠だと言えます。
なお、カウンセリングの効果は受け方次第で大きく変わります。心理カウンセリングの効果を高める方法を詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。
カウンセリング利用者の体験談
ここからは、実際にカウンセリングを利用した人の体験談を紹介します。
- カウンセリングがうまくいった体験談
- カウンセリングがうまくいかなかった体験談
カウンセリングがうまくいった体験談
Aさんのカウンセリング体験は、長期的な改善に貢献した成功例です。
Aさんは、自分が完璧主義でグレーな考え方をするのが苦手なことに悩んでいました。以下は、実際のAさんのカウンセリング体験談です。
認知行動療法の目的は、物事に対する考え方(認知)を柔軟にし、気分の落ち込みを軽減することです。自分の頭の中に思い浮かぶ落ち込む考え方(自動思考)を書き出して、それに対する合理的な反応を考えることを訓練します。
私は完璧主義で、全か無どちらかしか考えることができず、グレーの考え方をするのが苦手でした。ですが、この認知行動療法をし続けることによって、徐々に柔軟な思考ができるようになってきました。
最近は人との関係についても、前よりも柔軟に考えることができて、対人関係が楽になりました。
この心理療法は向き不向きがあると思いますが、落ち込みが激しくなく、論理的に考えることができる人にとってはとても有効なものだと思います。
引用:カウンセリング体験談|オンラインカウンセリング うららか相談室
このように、Aさんはカウンセリングを通じて自己の課題に取り組み、前向きな変化を実感しています。
カウンセリングがうまくいかなかった体験談
Bさんのカウンセリング体験は、改善が思うように進まなかった例です。
Bさんは、自分自身の「無理をしている」ことに気づき、自分を取り戻すためにカウンセリングを受けました。以下は、実際のBさんのカウンセリング体験談です。
過去の自分がどういう状態だったかわかった。
考え方、週間。
まず、助けを求めても、誰も助けてくれなかった。
助けてって言葉、今日まですっかり忘れてた。
そして、嫌いで殺したいほどにくい相手に合わせなければならなかった。さらに、そういうひとと仲良くしなければならなかった。
本音を言える場所がどこにもなかった。
悲しさや辛さ感じてたら、今日までいきてなかったから、感情かんじ無くした。
自分が見えた。
今まで、カウンセラーやセラピストから、そういう人がいなければ、私は自分1人では何もできないと思い込まされていた。
カウンセラーやセラピストに自立の邪魔をされていた。
引用:カウンセリング失敗記
このように、Bさんはカウンセリングで期待していた効果を十分に得られず、改善が進まない結果となりました。
カウンセリングにまつわる基礎知識
ここからは、カウンセリングに関する基礎知識を3つにまとめて解説します。
- 種類
- 選び方
- 注意点
種類
カウンセリングにはさまざまな種類があり、各形式に応じた目的や方法があります。
自分のニーズに合ったカウンセリングを選ぶことは、効果的な結果を得るために重要です。カウンセリングを受ける人によって解決したい問題や方法が異なるため、適切な選択で効果的なサポートが得られます。
例えば、心理カウンセリングはメンタルヘルスに焦点を当て、栄養カウンセリングは身体的な健康をサポートします。また、対面・オンライン、個人・グループといった形式もあり、ライフスタイルに合わせて選べます。
さまざまな選択肢を理解しておくことで、自分に必要なカウンセリングがより明確になります。
選び方
カウンセリングを成功させるには、まず目的を明確にすることが重要です。なぜなら、目的によって適切な療法や形式が異なるためです。
例えば、ストレスや不安には認知行動療法が有効です。加えて、対面かオンライン、個人かグループという形式も、生活スタイルに応じて選択できます。
忙しい人にはオンラインが便利で、個人セッションでは自分に集中できる一方、グループでは他者からのフィードバックが得られます。また、経済的負担を考慮し、無理なく継続できるカウンセリング形式を選ぶことも大切です。
最終的に、自分の生活スタイルに合った方法を選ぶことが、カウンセリングの効果を発揮させることにつながります。
上記を含め、心理カウンセリング施設やカウンセラーの選び方をより詳しく知りたい人は次の記事を参考にしてください。
注意点
カウンセリングを選ぶ際は、いくつかの重要な点を確認する必要があります。
効果がすぐに現れるわけではなく、時間をかけた取り組みが求められることも多いからです。カウンセリングは、長期的なプロセスとして進めることが必要になります。
また、医療的な緊急対応が必要な場合は、カウンセリングではなく、医師による診断や治療を優先すべきです。カウンセリングは心理的なサポートを目的としているため、医療処置とは異なります。
さらに、他者からの強制ではなく、自らの意思でカウンセリングに取り組むことが、より効果的な治療結果をもたらします。
まとめ
心理カウンセリングには、精神的負担の軽減・人間関係の改善・ストレス対処法習得のメリットがあります。
一方で、費用面や効果がすぐに現れないデメリットもあるのです。
効果を引き出すためには、自分に合うカウンセリング方法やカウンセラーの選択が必要です。さらに、長期的な視点で取り組むことが、カウンセリングの成功につながります。
カウンセリングを受ける前にメリットとデメリットをしっかりと理解し、適切な選択を心がけましょう。