「お金がなくてカウンセリングが受けられない…」
「お金がなくてもカウンセリングを受ける方法はあるのかな?」
カウンセリングを受けたい気持ちはあるものの、費用面で諦めてしまう方は少なくありません。
しかし実のところ、お金がない状況でもカウンセリングが受けられる方法はあるのです。
そこで今回は、お金のない人がカウンセリングを受ける方法を解説します。おすすめの心理カウンセリングやお金にまつわる疑問も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
- カウンセリングは対面よりオンラインの方が安い
- 無料で受けられるカウンセリングもある
- 精神疾患がある場合は治療費が安くなる可能性がある
お金のない人がカウンセリングを受ける5つの方法
さっそく、お金のない人がカウンセリングを受ける方法を、5つにまとめて紹介します。
- 非営利団体のカウンセリング
- 研究機関のカウンセリング
- 大学の心理相談室
- ピアカウンセリングの利用
- オンラインカウンセリングの利用
方法1:非営利団体のカウンセリング
お金のない人がカウンセリングを受ける方法として、非営利団体が運営するカウンセリングがあります。非営利団体とは、NPO法人や一般社団法人のことです。
非営利団体のカウンセリングは、料金が安く、場合によっては無料で受けられます。無料や低額で利用できる理由は、寄付や公的支援をもとに、利益を追求しない形で運営されているからです。
しかし費用が安い代わりに、相談員が資格を持つ専門家でないこともあります。ただし、多くの場合、研修を受けた経験豊富なスタッフが対応しており、安心して相談が可能です。
NPO法人 日本精神療法学会では、長野県の各会場で「心の談話室」と呼ばれるカウンセリングを開催しています。相談料金は、60分2,000円です。対面カウンセリングの費用相場が7,000円から1万1,000円程度であるため、非常に安いことが分かります。
非営利団体のカウンセリングを利用し、費用を抑えながら安心して心のケアを受けましょう。
方法2:研究機関のカウンセリング
研究機関のカウンセリングは、研究費を活用して運営されるため、無料や低額で利用できる場合が多くあります。そのため、お金がない人にはおすすめの方法です。
また、相談内容や症状が研究データとして活用されることがあるため、心理学や医療の発展に貢献できる可能性もあります。一方で、研究の一環として行われるため、一般的なカウンセリングとは異なる目的や形式の場合もあります。
KOKOROBO-Jは、質問に対する回答データなどでメンタルヘルスケアシステムを研究するサービスです。研究に利用するため、SNSやオンライン相談、AIチャットボットを無料で利用することができます。
研究機関のカウンセリングを利用する際は、研究機関ごとに提供されるサービスの内容や条件をしっかり確認しましょう。
方法3:大学の心理相談室
大学の心理相談室は、費用を抑えてカウンセリングを受けたい人におすすめの方法です。
大学の心理相談室は、臨床心理学を学ぶ学生が実習の一環としてカウンセリングを担当します。そのため、料金が比較的安価に設定されています。
非営利で運営されることが多く、施設費や人件費が抑えられている点も、料金が安い理由の一つです。また、一部の大学では地域貢献活動の一環として行っており、一般の方も利用可能なケースがあります。
ただし、学生が対応するため、専門性や経験が十分でない場合があることを理解して受けてください。ほとんどの相談室では指導教員の監督が行われており、一定の質が保たれています。
上智大学の臨床心理相談室では、学生だけでなく、お子様から高齢者まで幅広い世代の相談を承っています。対面相談と心理検査があり、どちらも1回3,000円で受けることができますよ。
利用を検討する際は、大学の公式サイトなどで料金や条件を確認して、自分に合った相談室を選びましょう。AACCの公式サイトに、大学の心理相談室を探す検索機能があるため、ぜひ参考にしてください。
方法4:ピアカウンセリングの利用
ピアカウンセリングは、お金がない人でも比較的安い料金で受けられるカウンセリング方法です。
ピアカウンセリングとは、同じ経験や悩みを持つ仲間同士が話し合い、支え合うカウンセリング方法です。相手が専門家ではないため、料金が安めに設定されています。専門的なカウンセリングとは異なり、リラックスした雰囲気で参加しやすいのが特徴です。
同じ境遇の人と話すことで、「悩んでいるのは自分だけじゃない」と感じ、安心感を得られる点が魅力です。また、経験者ならではの実践的なアドバイスが受けられ、悩みを解決するヒントを見つけるきっかけにもなります。
ただし、対応する相談員は専門家ではないため、医療機関での治療が必要なケースには適さないことがあります。自分の状況に合うかを確認してから利用するのがおすすめです。
NPO法人 ピアサポートネットしぶやは、引きこもりや不登校の方を支援するサービスです。同世代の同じ悩みを抱えた人たちと話し合う場所を提供しており、社会復帰に向けたサポートを行っています。
おすすめのピアカウンセリングを詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。
方法5:オンラインカウンセリングの利用
費用を抑えて手軽にカウンセリングを受けたい人には、オンラインカウンセリングの利用がおすすめです。
オンラインカウンセリングは、場所代や設備費などの固定費がかからないため、対面式に比べて料金が安い傾向にあります。自宅から利用できるため、移動の手間がなく忙しい方にも便利です。
顔を出さずに相談できるサービスもあり、初めてカウンセリングを受ける人でも気軽に利用しやすい点も魅力です。近くにカウンセリング施設がない地域に住む方でも受けられます。
Cotreeでは、ビデオ通話や電話、テキストでのカウンセリングが可能です。相談料金は1回5,000円前後であり、お金のない人でも利用しやすい価格設定になっています。いつでも、どこでも受けられるため、忙しい人にもおすすめのサービスです。
オンラインカウンセリングについて興味がある方は、以下の記事を参考にしてみてください。
お金がない人におすすめの心理カウンセリング3選
ここからは、お金がない人におすすめの心理カウンセリングを、厳選して3つを紹介します。
- Cotree(コトリー)
- よりそいホットライン
- 一般社団法人 メンタルヘルス協会
なお、無料で受けられるおすすめの心理カウンセリングを詳しく知りたい人は、下の記事を参考にしてください。
おすすめ1:Cotree(コトリー)
Cotree(コトリー)は、自宅から気軽に利用できるオンラインカウンセリングサービスです。オンラインで相談できるため、対面カウンセリングより安い料金設定になっています。
Cotree(コトリー)の魅力のひとつに、「マッチング診断」があります。カウンセラー選びに不安な人でも、マッチング診断の利用で、自分の性格や悩みに合ったカウンセラーを簡単に見つけられます。
サービス開始以来15万件以上の相談実績があるため、安心して利用できるサービスです。時間や場所を選ばず利用できるCotreeで、心のケアを始めてみてはいかがでしょうか。
カウンセリング方法 | ビデオ、電話、テキスト |
料金 | 【ビデオ・電話】 5,500円/45分(1回分) 5,060円/45分(2回分) 4,840円/45分(4回分) ※カウンセラーによって料金が異なる場合があります。 【テキスト】 8,800円(2週間/最大5往復) 5,500円~1万8,700円(2/4週間/週1~5往復) |
特徴 | ・臨床心理士、公認心理師が140名以上登録している日本最大級のカウンセリングプラットフォーム ・利用者93%が満足 ・満足の保証あり |
「料金」には、2024年11月時点の税込み価格を記載しています。
おすすめ2:よりそいホットライン
よりそいホットラインは、厚生労働省の支援を受けて運営されている、無料の電話相談サービスです。24時間365日対応しており、生活の困りごとや心の悩み、DV、いじめ、自殺念慮など、さまざまな問題に対応しています。
匿名で利用できるため、誰でも気軽に相談できる仕組みになっています。さらに多言語対応を実施しており、英語、中国語、韓国語などでも相談可能です。外国語話者や日本語が苦手な方にとっても非常に心強いサービスです。
運営は一般社団法人社会的包摂サポートセンターが担当し、専門知識を持つ相談員が対応します。通話料が完全無料のため、経済的不安がある人も気軽に相談できますよ。
カウンセリング方法 | 電話、FAX、テキスト |
料金 | 無料 |
特徴 | ・完全無料 ・24時間対応 ・匿名相談が可能 ・多言語に対応(英語、中国語、韓国語など) ・電話番号:0120-279-338(岩手/宮城/福島から連絡する場合:0120-279-226) |
「料金」には、2024年11月時点の税込み価格を記載しています。
おすすめ3:一般社団法人 メンタルヘルス協会
一般社団法人メンタルヘルス協会は、メンタル不調に悩む人々を支援するためのカウンセリングサービスを提供しています。無料のAIカウンセラー「みくり」をはじめ、電話・メール相談などがあり、自分に合った方法で利用が可能です。
AI相談は24時間利用可能で、プライバシー保護にも配慮されており、気軽に相談できる点が特徴です。また、有料のZoom対面相談も行っており、専門カウンセラーと直接話すこともできます。
対面相談以外は無料で受けられるため、初めてカウンセリングを受ける方やお金に不安がある人にもおすすめですよ。
カウンセリング方法 | 電話、ビデオ通話、テキスト |
料金 | 電話、メール、AIカウンセラー「みくり」:無料 対面相談(Zoom)50〜90分:1万円 |
特徴 | ・電話、メール、AIの利用は無料 ・AIカウンセラー「みくり」は24時間対応 ・Zoomでの対面相談が可能 |
「料金」には、2024年11月時点の税込み価格を記載しています。
カウンセリングのお金にまつわる疑問
最後に、カウンセリングのお金によくある疑問へまとめて回答します。
- カウンセリングの料金相場はどのくらい?
- 精神疾患がある場合、治療費は安くなる?
- お金のない人が効果的にカウンセリングを受ける方法はある?
- カウンセリング以外で、お金をかけない解決方法はある?
カウンセリングの料金相場はどのくらい?
カウンセリングの料金は、対面とオンラインで大きく異なります。
対面カウンセリングの料金は、1回約50分で7,000円から1万1,000円程度が相場です。例えば、新宿御苑前カウンセリングセンターでは50分7,700円、東京九段下カウンセリングルームでは60分1万1,000円となっています。都心部では場所代や運営費がかかるため、料金が高くなる傾向があります。
一方、オンラインカウンセリングは比較的安価で、相場は5,000円程度です。例えば、Cotreeでは45分5,500円、kimochiでは30分4,840円となっています。オンライン形式では場所代が不要なため、料金が抑えられるのが特徴です。チャット形式などを選ぶと、さらに安価になる場合もあります。
正確な料金は各サービスで異なるため、事前に公式サイトで確認してください。カウンセリングの料金相場をより詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。
精神疾患がある場合、治療費は安くなる?
精神疾患がある場合、自立支援医療制度や障害者手帳を利用することで、治療費を抑えられる可能性があります。
精神疾患の治療は、再発防止を含め長期にわたることが一般的です。そのため、通院を継続する患者の経済的負担を軽減するための制度が設けられています。
自立支援医療制度は、心療内科や精神科での通院治療費が1割負担になる仕組みです。収入に応じて負担額が決まっており、治療に関する経済的な負担を軽減できます。
さらに、精神障害者保健福祉手帳を取得すると、医療費以外にも公共交通機関の割引や税金の減免など、生活全般での支援を受けられる場合があります。ただし、申請には診断書や手続きが必要です。
精神障害者保健福祉手帳には、1〜3級の等級があります。
1級 | 精神障害であって、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの |
2級 | 精神障害であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの |
3級 | 精神障害であって、日常生活若しくは社会生活が制限を受けるか、又は日常生活若しくは社会生活に制限を加えることを必要とする程度のもの |
これらの制度を活用するためには、事前に自治体や医療機関で詳細を確認することが重要です。適切なサポートを受けることで、経済的な負担を軽減しながら治療に専念できる環境を整えましょう。
お金のない人が効果的にカウンセリングを受ける方法はある?
カウンセリングは、受ける人の心構えや準備によって、効果を最大限に引き出すことが可能です。
お金がない中でカウンセリングを受ける場合、効果的な受け方を知らないと「お金の無駄になった…」と後悔しかねません。
効果的にカウンセリングを受ける方法は、主に以下の3つです。
- 目的を明確にする
- 事前に質問内容をまとめておく
- 即効性がないことを理解しておく
まず、自分が解決したい悩みや相談内容を明確にしておくことが大切です。目的が明確であれば、カウンセラーとの話し合いがスムーズに進み、具体的なアドバイスを受けやすくなります。
さらに、事前に質問や話したい内容をメモしておくことで、限られた時間を有効に活用できます。カウンセリングは一度で劇的な効果が現れるわけではないため、継続的に取り組む姿勢を持つことも重要です。
3つのポイントを押さえ、限られた予算の中でカウンセリングの効果を最大限引き出しましょう。
効果的なカウンセリングの受け方をより詳しく知りたい人は、下の記事を参考にしてください。
また、カウンセリングで得られる効果をより詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。
カウンセリング以外でお金をかけない解決方法はある?
心の問題や悩みを無料で解決する方法として、セルフメンタルケアがおすすめです。
メンタルケアには、以下のような方法があります。
呼吸法 | 腹式呼吸を中心とした呼吸法は、心身を落ち着け、自律神経を整える効果があります。息をゆっくり吐き、短く吸うことで副交感神経が活性化し、ストレスの軽減や睡眠の質向上が期待できます。 |
リラックス法 | 筋弛緩法や深呼吸などのリラックス法は、緊張をほぐし、自律神経のバランスを保つのに効果的です。不安感を和らげ、ストレスを軽減するほか、免疫力を高める働きもあります。 |
ストレッチ | ストレッチは、筋肉をリラックスさせ、体の柔軟性を保つのに役立ちます。深呼吸と組み合わせることで、リラックス効果が高まり、心拍数を下げて安らぎを得られるため、日常生活に取り入れやすい方法です。 |
適度な運動 | ウォーキングやジョギングなどの運動は、セロトニンやエンドルフィンの分泌を促し、ポジティブな気持ちをもたらします。ストレス解消やうつ予防にも効果的です。 |
マインドフルネス瞑想 | マインドフルネス瞑想は、現在の自分に意識を集中させ、不安やストレスを和らげる手法です。集中力を高めるほか、血圧の低下や免疫力向上といった身体面での効果もあります。 |
睡眠 | 質の良い睡眠は、心身の健康を維持するために欠かせません。寝る前のリラックスタイムを確保し、快適な寝室環境を整えることで、より深い眠りを得られます。 |
笑うこと | 笑いは、ストレスを和らげ、幸福感を高めます。人との関係をより良くするだけでなく、自分の気持ちを前向きにする効果もあります。 |
セルフモニタリング | 自分の感情や考えを振り返るセルフモニタリングは、ストレスの早期発見に役立ちます。自分の状態を客観視しやすくなり、メンタル不調の予防にもつながります。 |
セルフメンタルケアは自宅で簡単に行うことができ、お金もかかりません。カウンセリングを受ける費用や時間がない方は、ぜひ試してみてください。
まとめ
今回は、お金がない人がカウンセリングを受ける方法を紹介しました。
心の問題を放置すると、症状が悪化してしまう可能性があります。この記事を参考に、経済面で不安がある方も、無理のない範囲でカウンセリングを受けてみませんか。
カウンセリング以外にも、セルフメンタルケアで心をリラックスさせる方法もあります。自分に合ったものを見つけて、ぜひ試してみてください。