この記事では栄養指導との違いや料金相場も交え、栄養カウンセリングの特徴を紹介します。
「栄養カウンセリングって何?」
「栄養指導とは何が違うんだろう?」
栄養カウンセリングに興味はあるものの、どんなものなのかイメージが湧かない方は多いですよね。
また、受ける必要があるのか、判断できない方もいるはず。
そこでこの記事では目的も交え、栄養カウンセリングの特徴を解説します。栄養カウンセリングがどんな人に必要なのかも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
- 栄養カウンセリングは、生活習慣病の予防や食生活をサポートする
- 栄養指導とは異なり、相談者の目標や悩みに寄り添いながら無理なく続けられる
- 肌荒れに悩む人や妊娠中・授乳中の女性にもおすすめ
栄養カウンセリングとは?
栄養カウンセリングとは、健康的な食生活を実現するために、管理栄養士が個別にアドバイスをすることです。問診票やヒアリングを基に丁寧なカウンセリングを行うため、自分に合った食事プランを見つけられるのが魅力です。
栄養カウンセリングでは、食事療法を通じて生活習慣病の予防や改善を目指し、健康的な生活をサポートします。たとえば、料理が苦手な方には、スーパーでのお惣菜選びのコツをアドバイスするなどがあります。
また、家族で利用することで、家庭全体の食事習慣を見直すきっかけにもなります。栄養カウンセリングは、食生活を見直し、健康増進を目指す重要なサポート手段です。
健康的な生活の基盤形成が目的
栄養カウンセリングの目的は、健康的な生活を支える基盤を作ることです。カウンセリングを受けることで、体重の管理や生活習慣病の予防改善が期待できます。
カウンセリングでは、食事記録をもとにカロリーや栄養素を分析し、目標を設定します。成果を確認するために、体重や検査数値の変化を数値化することが重要です。体重や検査結果の変化を定期的に確認することで、成果を実感しやすくなります。
栄養カウンセリングは、相談者の意向を尊重して目標を立てるため、無理なく続けられます。
栄養指導との違い
下表のように、栄養カウンセリングと栄養指導では対象者はその内容が異なります。
栄養カウンセリング | 栄養指導 | |
---|---|---|
対象 | 食生活に不安のある人や食事制限が必要な人 | 疾患の改善や回復を目的とした人 |
内容 | 分子栄養学や選択倫理心理学などの考え方を基に、無理なく続けられる食生活や日常生活のアドバイスを行う | ライフスタイルに合わせて無理なく持続できる食事の提案やサプリメントの導入などを指導する |
方法 | 患者が事前に提出した問診票をもとに、管理栄養士が質問しながら確認する | 検査結果や食習慣・生活習慣のアンケート、ヒアリングなどを通じて、管理栄養士が現状を把握する |
栄養カウンセリングは、相談者との対話を重視し、悩みや目標に合わせた無理のない提案を行うのが特徴です。一方、栄養指導は特定の病気や症状に対応する具体的な指導を目的としており、食事制限が必要な場合に活用されます。
たとえば、糖尿病の食事療法では「栄養指導」が効果的ですが、健康的な体重管理を目指す場合には「栄養カウンセリング」が向いています。それぞれの目的や状況に応じて活用してください。
栄養カウンセリングの料金相場
栄養カウンセリングの料金は、内容や提供する施設によってさまざまです。一般的な料金相場は、1回あたり1,500円から3,500円程度です。
ただし、料金は施設によって大きく異なるため、カウンセリング内容と合わせて事前に確認してください。また、一部の医療機関では保険適用が可能な場合もあるため、事前に問い合わせておくと安心です。
栄養カウンセリングの料金は、受ける場所や内容によって大きく異なります。
病院での栄養指導は保険が適用されるため、比較的安価です。
(例)田川クリニックの料金
3割負担の方:(初回)780円 (2回目以降)600円
1割負担の方:(初回)280円 (2回目以降)200円
保険外の場合:3,500円(税込)
一方で、民間のカウンセリングは自費診療となるため、病院よりも高めの設定であることが多いです。
(例)メディカルフィットネスクラブ鳥居の料金
1回:1,500円
3回:4,500円
民間の料金が高くなる理由としては、以下の理由が考えられます。
- 保険適用外であるため
- 血液検査やサプリメントの提案などが含まれる場合がある
- カウンセラーの経験や運営コストが料金に影響している
料金だけで判断せず、内容やカウンセラーの専門性をしっかり確認することが大切です。
栄養カウンセリングを受ける3つのメリット
ここからは、栄養カウンセリングを受けるメリットを、3つにまとめて紹介します。
- 食事や栄養に関する正しい知識を得られる
- 健康リスクを減らせる
- 継続的にサポートを受けられる
メリット1:食事や栄養に関する正しい知識を得られる
食事や栄養に関する正しい知識が学べる点は、栄養カウンセリングを受けるメリットの1つです。管理栄養士から科学的根拠に基づいた正確な情報を得られるため、インターネットや噂に左右される心配がありません。
カウンセリングによって、誤った栄養情報や思い込みを排除することで、安心して食生活の改善を行うことができます。また、特定の疾患に対する具体的な食事療法を学べる点も、大きな魅力です。栄養カウンセリングで得た知識は、健康的な食生活を支える重要な財産になります。
メリット2:健康リスクを減らせる
生活習慣病といった健康リスクを減らせる可能性がある点も、栄養カウンセリングを受けるメリットです。生活習慣病とは、以下のような病気を指します。
- 肥満症
- 糖尿病
- 高血圧症
- 脂質異常症
生活習慣病は、普段の食生活や睡眠不足、飲酒などの影響で発症する病気です。そのため、栄養カウンセリングの食事指導を受けることで、改善が期待できます。
脂質異常症の場合は、脂質摂取量を抑える必要があります。たとえば、汁物を薄味にし、加工食品や甘い飲み物の摂取を減らすなどの食事療法が効果的です。
食生活の改善は、病気の予防だけではなく、生活の質を高める助けとなります。健康寿命を伸ばすきっかけにもなるため、食事に不安がある方は利用してみてはいかがですか。
メリット3:継続的にサポートを受けられる
継続的なサポートが受けられる点も、栄養カウンセリングを受けるメリットです。一般的に、栄養カウンセリングは継続的な受講を推奨しています。継続して受けることで、食習慣を長い目で整えやすくなるためです。
栄養カウンセリングで食生活の改善をするためには、継続的に受けることが重要です。一人で取り組むより、専門家と二人三脚で進めるほうが、モチベーションを維持することができます。
また、栄養カウンセリングであれば、仕事が忙しくなったり、体調に変化があった場合でも柔軟にアドバイスをもらえます。これらのサポートによって、無理のないペースで食生活を改善していくことが可能です。
栄養カウンセリングはこんな人におすすめ
なかには、栄養カウンセリングを受けようか悩む人も少なくありませんよね。
そこでここからは、栄養カウンセリングがおすすめな人の特徴を、4つにまとめて紹介します。
- 生活習慣病に悩む人
- 肌荒れに悩んでいる人
- 妊娠中・授乳中の女性
- ベジタリアン・ヴィーガンの人
生活習慣病に悩む人
生活習慣病に悩んでいる方には、栄養カウンセリングがおすすめです。体調や生活習慣に合わせたアドバイスを受けることで、無理なく健康的な生活習慣を目指せます。
たとえば、次のようなアドバイスを受けることが可能です。
肥満症 | 無理なく続けられる体重管理の方法 |
糖尿病 | 血糖値を安定させるための食事プランの提案 |
高血圧症 | 減塩食の実践方法や血圧コントロールに適した食材選びの指導 |
脂質異常症 | レステロールや中性脂肪を抑える食事のポイントをアドバイス |
自分に合った生活習慣を見つけ、無理なく健康を取り戻せるのが栄養カウンセリングの魅力です。栄養カウンセリングを通じて、食事からできる健康管理を始めてみませんか?
肌荒れに悩んでいる人
栄養カウンセリングは、肌荒れに悩む方にもおすすめです。肌の調子は、食生活や栄養バランスと深く関係しているため、内側からのケアが重要です。
カウンセリングでは、肌の健康に必要な栄養素を見直し、足りない部分を補う具体的な方法を教えてくれます。たとえば、ビタミンAやCは肌の再生を助け、亜鉛は肌トラブルの予防に役立つ栄養素として知られています。これらを含む食品や調理法を具体的に教えてもらえるため、実践しやすいのが特徴です。
食事だけでなく、水分の取り方や腸内環境を整える発酵食品の活用法など、生活全般のアドバイスも受けられます。肌荒れの根本原因に向き合い、内側から健康的な肌を目指しましょう。
妊娠中・授乳中の女性
栄養カウンセリングは、妊娠中や授乳中の女性にとって非常に重要です。母体の健康はもちろん、赤ちゃんの健やかな成長にもつながります。
妊娠中には葉酸や鉄分、タンパク質などの栄養素が特に大切です。葉酸は胎児の発育を助け、鉄分は貧血予防に欠かせません。授乳中には、母乳の質を保つために、カルシウムやエネルギーの補給が必要になります。
さらに、つわりによる食欲不振や体重管理の悩みに対しても、専門的なアドバイスが得られます。食事制限がある場合でも、必要な栄養を補う方法を提案してくれるため安心です。
栄養カウンセリングを通じて、妊娠中・授乳中の女性が抱える不安や疑問を解消してはいかがですか?
ベジタリアン・ヴィーガンの人
栄養カウンセリングは、ベジタリアンやヴィーガンの方にもおすすめです。植物性食品中心の食事は、栄養バランスが偏りやすく、以下の栄養が不足しやすくなります。
- ビタミンB12
- 鉄分
- カルシウム
- タンパク質
これらの栄養素が不足すると、体調不良や疲労、貧血の原因になることがあります。
栄養カウンセリングでは、不足しがちな栄養素を効率的に補う方法を教えてもらえます。たとえば、植物性食品だけで効率よくタンパク質を摂取する方法や、バランスの取れた食事プランの作り方などの具体的なアドバイスです。
そのため、ベジタリアンやヴィーガンの方でも、無理なく持続可能な食生活を実現できます。
栄養カウンセリングを受けるまでの流れ
栄養カウンセリングを受けるまでの流れは、次のとおりです。
- 現在の食生活や生活習慣に関するヒアリングを受ける
- 食事療法の必要性について説明を受ける
- 一緒に目標を決める
- 目標に向けた食事療法のアドバイスを受ける
- 2回目以降は成果を数値化していく
栄養カウンセリングでは、現在の状況を伝え、目標設定することが重要です。カウンセリング利用後は、専門家のアドバイスに沿って努力を続けていきましょう。
カウンセリングの流れは施設によって異なるため、詳細は事前に確認してください。
栄養カウンセリングを仕事にするなら
栄養カウンセリングを仕事にする場合、栄養カウンセラーになる必要があります。
栄養カウンセラーとは、クライアントの健康状態や食生活に基づいて、栄養バランスの取れた食事や生活習慣を提案する専門家です。
主な仕事内容には、個々の健康状態に応じた栄養指導や食事計画の作成、健康状態の評価、継続的なサポートなどがあります。専門知識だけでなく、クライアントに寄り添う姿勢が必要です。
栄養カウンセラーは、健康的な生活を送りたいと考える現代のニーズに深く関わる仕事です。食生活が多様化し、栄養の過不足が引き起こす健康問題が増える中、栄養カウンセラーの役割がますます重要になっています。
栄養カウンセリングに必要な主な資格は、以下の4つです。
- ヘルスフードカウンセラー検定
- 栄養相談専門士
- 臨床栄養医学指導士
- 管理健康栄養インストラクター
栄養カウンセリングの仕事に注力したい方には、「臨床栄養医学指導士」の資格がおすすめです。なお、栄養カウンセリングの資格については、こちらの記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
まとめ
栄養カウンセリングは、健康的な食生活をサポートするものです。一人ひとりの健康状態やライフスタイルに合わせたアドバイスを受けられるため、無理なく続けられるのが魅力です。
食事療法を通じて生活習慣病の予防や改善を目指すだけでなく、体重管理や栄養バランスの見直しにも役立ちます。また、家族で利用することで、家庭全体の食事習慣を見直すきっかけにもなります。
栄養カウンセリングを活用して、自分に合った食生活を見つけ、健康的な暮らしを目指してみませんか?