栄養カウンセラーになるには?知識ゼロから目指す全手順

栄養カウンセラーになるには?知識ゼロから目指す全手順

「栄養カウンセラーになるにはどうすればいいんだろう?」
「目指そうにも何から始めればいいのかわからない…」

栄養カウンセラーになりたいと考えてはいるものの、どのように目指せばいいのか具体的な道のりがイメージできない方は多いですよね。

なり方があいまいなまま栄養カウンセラーを目指し始めては、必要以上に手間や時間がかかりかねません。最悪の場合、途中で挫折する可能性もあります。

そこで本記事では、栄養カウンセラーになる具体的な手順をステップ形式で解説します。この記事を参考にすれば、遠回りすることなく、効率よく栄養カウンセラーを目指すことができますよ。

この記事の要約
  • 栄養カウンセラーになる理由を明確にしよう
  • 資格の種類や難易度、目指す方法を知ろう
  • 栄養カウンセラーとして働くイメージを描こう

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目次

ステップ1:「なぜ栄養カウンセラーになりたいか」を明確にしよう

栄養カウンセラーになる手順 ステップ1:「なぜ栄養カウンセラーになりたいか」を明確にしよう

初めに「なぜ栄養カウンセラーになりたいか」を明確にしましょう。

目的があいまいなまま栄養カウンセラーを目指し始めては、資格取得等の学習でつまづいた際に「どうしてこんなに頑張っているんだろう…」と、壁を乗り越える理由が見出せず挫折する可能性が高くなります。

目的があいまいなまま栄養カウンセラーを目指し始めては、資格取得等の学習でつまづいた際に「どうしてこんなに頑張っているんだろう…」と、壁を乗り越える理由が見出せず挫折する可能性が高くなります。

目的が明確な場合・未来の姿がイメージしやすい
・取るべき資格や手段を選択できる
・モチベーションにつながる
・効率のいい方法を探せる
目的があいまいな場合・資格を取得できない可能性がある
・手順に迷いやすく遠回りになりがち
・モチベーションを失い諦めやすい
・資格を活かせない可能性がある

たとえば「管理栄養士として病院で働きたい」という明確な目的があると、国家資格の取得や養成校を効率よく選び、主体的に行動できます。

一方「栄養の仕事関係に興味があるけど…」とあいまいな場合は、資格や就業先選びに一貫性がなく、途中で迷いが生じることが多いでしょう。

事前に目的をはっきりさせておくと、栄養カウンセラーとしての未来も具体的に描け、行動しやすいです。

ステップ2:栄養カウンセラーへの理解を深めよう

次に、栄養カウンセラーへの理解を深めましょう。栄養カウンセラーの仕事内容や年収などを知ると、必要な資格や就業先を具体的にイメージしやすくなるためです。

ここからは次のトピック別に、栄養カウンセラーがどんな職業かを解説します。

 

なお栄養カウンセリングについて詳しく知りたい方は、下記の記事を参考にしてください。

仕事内容

栄養カウンセラーの仕事内容

次のように、食生活や栄養の悩みに寄り添い改善案を提案するのが、栄養カウンセラーの主な仕事内容です。

  • 対象者のカウンセリング(現状や悩みなど)
  • 栄養指導(具体的な食品や味付け、食材の取り入れ方など)
  • 栄養を補う献立や生活に合ったメニューの作成
  • 生活習慣病や低栄養、栄養失調などの予防策の提案(減塩や補食など)
  • 調理方法や必要な栄養素などの相談や行動変化を促すアドバイス
  • 1~3ヶ月単位での体重や血液データ、食事状況などの定期確認

職場は、国家資格だと病院や高齢者施設、教育の現場など健康や生命にかかわる場所に就職できます。また管理栄養士の場合は「栄養士法」に基づき、科学的根拠のもと栄養管理をおこないます。

民間資格の場合の就業先は、スポーツジムや一般企業などです。

より具体的な栄養カウンセラーの仕事を知りたい人は、下記を参考にしてください。

平均年収

栄養カウンセラーの平均年収

栄養カウンセラーの平均年収は、300~400万円台が目安です(※1)。あくまでも目安であり、地域や勤務先、資格によって異なります。

※1 参考:厚生労働省の「職業情報提供サイトJobtag

「栄養カウンセラー」は法的に定められた職業名ではありません。そのため、栄養カウンセラーとして活躍できる下記職種の平均値をもとに、計算・記載しています。

栄養士(国家資格)約394万円
スポーツインストラクター(民間資格)約438万円

日本における就労者全体の平均年収460万円(※2)と比べると、栄養カウンセラーの平均年収は少々低い水準にあります。

※2 参考:国税庁「令和5年分 民間給与実態統計調査

栄養カウンセラーの年収が低水準にあるのは資格の有無や働き方が大きく影響しています。

管理栄養士や栄養士は、国家資格がなければ就業できません。また、民間資格を必要とする仕事の場合、正社員やフリーランスなど、どう働くかで年収は異なります。

理想の収入と照らし合わせながら、栄養カウンセラーとしてどんな資格を取得するのか、どう働くのかなどはあらかじめ明確にしておくのがおすすめです。

資格の必要性

栄養カウンセラーにおける資格の必要性

栄養カウンセラーとして働くには、知識や技術を証明できる資格が必要です。なぜなら、生命や健康にかかわる仕事では、専門性や信頼性が重視されるためです。

無資格でも食事や栄養の勉強はできます。しかし、ビジネスとして報酬が発生したりアドバイスしたりする場合などは、責任が伴い推奨できません。

食生活の改善や健康を推進するには、公的な資格を証明できた方が賢明です。健康にまつわる食事や栄養素の資格を持っていると、対象の方や職場から信頼されます。

信頼される栄養カウンセラーになるには、資格が必要だと理解しておきましょう。より詳しい栄養カウンセラーの資格を知りたい方は、下の記事を参考にしてください。

就業難易度

栄養カウンセラーの就業難易度

栄養カウンセラーの就業難易度は、どのような企業や職種を目指すかで異なります。

たとえば、医療や教育現場、公務員などに応募しやすいのは管理栄養士や栄養士といった国家資格です。そのため、国家資格を持っていると就業難易度は低くなりやすいです。

なかには「管理栄養士必須」と記載された求人もあり、資格そのものが応募条件になることもあります。

一方、民間資格だけを保有している場合は、単独の資格での就業は難しくなりやすい傾向です。求人票にも「栄養に関する資格があれば歓迎」と記載されていることが多く、必須条件にはなりません。

とはいえ、栄養カウンセラーを証明できる資格があることは、無資格より圧倒的に有利です。

どんな仕事に就きたいかによって、求められる条件は異なります。あらかじめ求人をチェックしておくことが大切です。

働きがい

栄養カウンセラーの働きがい

栄養カウンセラーは働きがいのある仕事です。なぜなら、食事や健康は人間の暮らしに欠かせない大切な要素だからです。

対象者の健康づくりにかかわれますが、必ずしも相手が提案どおりに行動してくれるとは限りません。また、正確な情報を求められるため、プレッシャーや責任を感じる場面もあるでしょう。

たとえば、減塩食の指導で高血圧が改善することがあります。また、偏食の子どもが食べやすい献立や料理を提案することで家庭の食卓を明るくできます。

悩みが改善すれば、対象の方から感謝されるでしょう。感謝の言葉はあなたの心を潤し「栄養カウンセラーになってよかった」と感動させてくれるはずです。

食を通じて対象の方の栄養や健康などを支えられるのが、栄養カウンセラーの魅力です。

ステップ3:目指す方法を決めよう

次に、栄養カウンセラーを目指す方法を決めましょう。栄養カウンセラーになるには、知識や資格を取得する手段が必要です。

ここからは栄養カウンセラーを目指す方法を、4つにまとめて解説します。

管理栄養士/栄養士養成課程がある大学に進学する

栄養士養成課程がある大学に進学する
大学に進学するメリット・国家資格が取得できる
・大卒の資格が取得できる
・上記から就職や転職に有利
大学に進学するデメリット・200~300万円程度の学費や数年の期間が必要
・通学しても資格取得できるとは限らない
・学業や学費のプレッシャーがある

栄養カウンセラーを目指す方法の1つが、管理栄養士や栄養士養成課程がある大学への進学です。費用や期間はかかるものの、専門的なスキルを持つ国家資格が取得できます。

管理栄養士や栄養士は、医療や福祉、教育などの現場で働けます。対象の方の食事や健康へより専門的に携わりたい方や、就業の安定性を重視したい方におすすめです。

進学後は所定のカリキュラムを経て、栄養士を取得します。管理栄養士を目指す場合は、更に国家試験に合格する必要があります。

就職や転職に有利な資格を取りたい方には、養成課程がある大学への進学を検討しましょう。

独学で資格取得し就業活動に臨む

栄養カウンセラーを目指す方法 独学で資格取得し就業活動に臨む
独学で資格取得し就業するメリット・費用を抑えられる
・自分のペースで学習できる
・自分で考える力が身につく
独学で資格取得し就業するデメリット・通学が必要な資格は取得できない
・仕事や勉強との両立が難しい場合がある
・実践や信頼性は不足しやすい

独学で資格取得し、就業活動に臨むことも栄養カウンセラーを目指す方法の1つです。講座の利用や通学しないことで、資格取得に必要な費用を抑えられるためです。

わからないことをたずねられる相手がいないのは、大きなデメリットといえます。スムーズに解決策が見つからない場合もあるため、回り道をする可能性があります。

モチベーションを保ち、自分自身に厳しくできる方には独学がおすすめです。スケジュール管理が得意で費用を抑えたい方こそ、独学で資格を取得する方法が向いています。

講座を活用し専門知識/資格を取得する

栄養カウンセラーを目指す方法 講座を活用し専門知識/資格を取得する
講座を活用し専門知識を取得するメリット・要点を押さえた効率のよい学習ができる
・自分に程よいプレッシャーをかけられる
・スキマ時間で取り組める
講座を活用し専門知識を取得するデメリット・独学より費用がかかる
・必ず合格できるとは限らない
・主催元によって内容が異なる

栄養カウンセラーを目指す方法の1つに、講座を活用し専門知識や資格を取得するやり方があります。重要なポイントを効率よく学べ、資格の取得率を高めやすいのが特徴です。

講座には、過去問対策や資格の取得に必要な内容が網羅されています。講座を利用すると、独学より効果的に学べるでしょう。

マニュアル化された効率のよいスケジュールで、合格率を上げたい方に講座の利用はおすすめです。忙しい方や転職希望者、育児中の方にも向いています。

なお、栄養カウンセラーの講座をさらに詳しく知りたい方は下の記事を参考にしてください。

栄養カウンセラーの養成スクール経由で就業する

栄養カウンセラーを目指す方法 栄養カウンセラーの養成スクール経由で就業する
スクール経由で就業するメリット・雰囲気や働きやすさなど評判をチェックしやすい
・実習先として事前に体感できる場合がある
・講師陣とつながる安心感がある
スクール経由で就業するデメリット・養成スクールとつながりがない職場には就職できない
・合わなかった場合は退職や転職がしづらい
・ほかの職場をすすめられる場合がある

養成スクール経由での就業も、栄養カウンセラーになるための方法の1つです。実習先や既卒生徒の就業先として、既に紹介関係が確立されている場合があるためです。

栄養カウンセラーの情報を入手しやすく、キャリアスタートしやすい点がメリットといえます。一方、あなたに合わなかったり就業先がなかったりする点はデメリットです。

紹介した方法のなかでは、一番費用がかかる傾向にあります。しかし、講師のサポートや時間をかけたカリキュラムは、資格を取得する強力なサポートになるでしょう。

講師陣からの評判や安定性を重視する方は、養成スクール経由での就業がおすすめです。

栄養カウンセラーのスクールについて知りたい方は、下の記事を参考にしてください。

ステップ4:就業活動を進めよう

栄養カウンセラーになる手順 ステップ4:就業活動を進めよう

資格を取得したら、栄養カウンセラーとして働くための就業活動を進めましょう。資格や免許、履歴書などをそろえ、求人情報を調べます。

国家資格の場合は、春に結果がわかるため、試験勉強をしつつ就職活動を始めても大丈夫です。民間資格の場合は定期的に試験が開催されているため、焦って就業活動を始める必要はありません。

求人の探し方やそれぞれのメリット・デメリットを表にまとめているので参考にしてください。

スクロールできます
メリットデメリット
ハローワーク地域密着の求人が多い
選択肢を持ちやすい
業務内容があいまいな場合がある
人気の求人は埋まりやすい
転職サイト条件を絞った求人が探しやすい
エージェントに相談できる
通勤できない場所が検索される
場合がある登録やDMが面倒
養成校経由職種に合った求人が多い
求人先が信頼できる
紹介先が限定されている場合がある
人気の求人には集中しやすい

栄養カウンセラーとして求人が出されていない場合が多いため、条件や仕事内容は慎重に確認しましょう。

栄養カウンセラーとして働く姿をイメージしておくと、就職先も探しやすいです。

まとめ

本記事では、栄養カウンセラーになるための手順を4つのステップで紹介しました。

栄養カウンセラーになりたい理由を明確にしておくと、手段の選択や就業活動もスムーズになります。就業した場合、どのような仕事をしたいかイメージしておくと資格を取得した後も行動しやすいです。

あなたのライフスタイルに合わせた方法で、栄養カウンセラーになりましょう。

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この記事を書いた人

水本 まほろのアバター 水本 まほろ 作業療法士/Webライター

【プロフィール】
作業療法士として総合病院やクリニック、訪問リハビリテーションなどに勤務しながら、2024年からWebライターとしても活動中。主に企業のオウンドメディアやSNSの執筆を担当し、臨床の経験を活かした医療や介護、福祉関連の執筆が得意。医療の現場には精神が不安定な患者様が多いことを実感し、「つらい思いをしている方の力になりたい」との想いで執筆に励んでいる。
【専門分野】
医療分野(神経内科/整形外科/精神科/リハビリテーション/老年期)、健康、介護、福祉
【保有資格】
作業療法士
YMAA認証マーク
住環境コーディネータ2級

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