「カウンセリングを受けるたびにつらくなる…」
「カウンセリングに行きたくない…このまま続けるべきなのかな…」
「どうしてカウンセリング後に気持ちが落ち込むんだろう?」
カウンセリングを受けた後、気分が軽くなるどころか落ち込んでしまう、そんな状況に悩んでいる方は多いのではないでしょうか。せっかく始めたものの、カウンセリングをやめたくなる人も少なくありません。
しかし、気持ちの揺れは多くの人が経験しており、カウンセリングの過程で自然に生じるものです。
そこで、本記事ではカウンセリング後に落ち込む理由を解説します。カウンセリングをやめたい時の対処法や気持ちの回復法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
- カウンセリングに即効性を期待すると落ち込みやすい
- 落ち込む感情を受け入れることが大切
- カウンセリング以外の方法を利用する手もある
カウンセリング後に落ち込む5つの理由
先ほども触れたように、カウンセリング後の落ち込みは多くの人が経験するものです。
さっそく、カウンセリング後に落ち込む理由を、5つにまとめて紹介します。
- 抑えていた感情が表に出たため
- 問題に直面して辛くなった
- カウンセラーとの相性が悪い
- カウンセリングに過度な期待をしていた
- カウンセリング自体が合わなかった
理由1:抑えていた感情が表に出たため
カウンセリング後に落ち込む理由の一つは、抑えていた感情が表に出ることです。
カウンセリングでは、抑え込んでいた怒りや悲しみなどの感情をカウンセラーに伝える必要があります。心の中に溜めていた感情を出すことにより、カタルシス効果が期待できます。
カタルシス効果とは、普段抑えていたネガティブな感情を吐き出すことで、心の負担が軽くなる現象です。
しかし、日本には感情を抑える文化が根付いており、多くの人が日常的に感情を抑え込む傾向があります。そのため、初めて自分の感情に向き合うと、過去のつらい記憶が蘇り、一時的に不安や落ち込みを覚えるのです。
こうした落ち込みは一時的なものであり、カウンセリングを続ける中で少しずつ感情との向き合い方が身につきます。
理由2:問題に直面して辛くなった
カウンセリング後に落ち込むのは、問題に直面して辛くなるからです。
カウンセリングでは、自分の抱える課題やトラウマに向き合う必要があります。そのため、人間関係の悩みや自己肯定感の低さなど、日常生活で避けてきた問題に直面しなければなりません。
これにより、それまで機能していた防衛機制が崩れ、抑えていた感情や記憶が溢れ出します。その結果、過去の失敗経験を思い出して自信を失ったり、幼少期のトラウマが蘇って不安になることも起こり得ます。
しかし、問題を直視することは、自分と向き合い、解決に向かうための大切な一歩です。
理由3:カウンセラーとの相性が悪い
カウンセリング後に落ち込む理由の一つに、カウンセラーとの相性が合わないことがあります。
信頼関係が十分に築けないと、自分の気持ちを素直に話しづらくなり、カウンセリングの効果が低下するためです。
相性が悪いと感じるのは、カウンセラーの話し方や態度がしっくりこなかったり、価値観の違いを感じたりするためです。また、カウンセラーの専門分野が求めるものと異なる場合も、相性が悪いと感じます。
こうした相性のズレは、「理解してもらえなかった」「アドバイスが的確でなかった」という不満を引き起こします。その結果、気分の落ち込みにつながることが少なくありません。
相性の悪さを感じたら、早めに別のカウンセラーへの変更を検討することが大切です。
理由4:カウンセリングに過度な期待をしていた
カウンセリングに過度な期待をすると、思い通りの効果が得られず、落胆しやすくなります。
多くの人は、カウンセリングですぐに悩みが解消する、または気分が劇的に改善すると思いがちです。しかし、心の問題は一度のセッションで解決できるものではありません。
特に、長年抱えてきた人間関係の問題や、うつの症状を一回で改善することは非常に難しいです。
こうした過度の期待は「思ったほど変わらない」「まだ解決できていない」という失望感を引き起こします。カウンセリングは徐々に心の状態を整え、時間をかけて解決する方法だと理解しておきましょう。
理由5:カウンセリング自体が合わなかった
カウンセリング自体が合わない場合、落ち込みの原因になることがあります。
カウンセリングは、内面を深く見つめる自己探求の過程を重視するため、即効性や問題解決を求める人にとっては不向きな方法です。
例えば、1回のカウンセリングで解決を望んでいた場合、長期的な継続が必要だと知り、落胆することは少なくありません。また、自己開示に慣れていない人は、カウンセリング自体に不快や不安を感じてしまいます。
その結果、「カウンセリングは自分に合わない」と感じ、かえって気持ちが落ち込んでしまうことがあります。カウンセリングが合わないと感じたら、自分に合う方法を見つけることが重要です。
カウンセリング後の落ち込む気持ちの回復法
ここからは、カウンセリング後に落ち込んだ気持ちの回復法を、3つにまとめて紹介します。
- 成長の過程として捉え直す
- メンタルケアの時間をつくる
- カウンセラーに正直な気持ちを伝える
回復法1:成長の過程として捉え直す
カウンセリング後の落ち込みは、成長過程の一環として受け止めると、気持ちが楽になることがあります。
これは、自分の気持ちを見つめ直すことで、心の成長を実感できるからです。
たとえば、カウンセリングで感じた感情を日記に記録し、変化を客観的に見つめる方法があります。「今日のカウンセリングで◯◯という感情が湧き上がった」などと書き留めておけば、自分の思考パターンが少しずつ分かってきます。
また、小さな目標を設定し、達成することで成長を実感しましょう。たとえば、「次のカウンセリングまでにストレス対処法を1つ試してみる」など、具体的な目標を立てます。これらの小さな成功体験を積み重ねることで、自信を持てるようになります。
さらに、前向きな自己対話も大切です。「この落ち込みは成長の一環」と自分に語りかけることで、落ち込む感情を自己成長のステップとして捉えられます。
「落ち込みは成長の証」と捉え直し、気持ちの負担を減らしましょう。
回復法2:メンタルケアの時間をつくる
カウンセリング後の落ち込みを和らげるためには、メンタルケアの時間を作ることが重要です。心身のリフレッシュは、次回のカウンセリングを前向きに臨むための基盤になります。
まず、リラックスできる環境で過ごすことが大切です。たとえば、自然の中を散歩したり、お気に入りの音楽を聴いたりすると、心が落ち着きます。
また、短いマインドフルネス瞑想も効果的です。深呼吸をしながら自分の感覚に集中することで、心が穏やかになります。
さらに、気持ちを言葉にするジャーナリングも有効です。カウンセリングで感じたことを書き出すことで、思考が整理され、自己理解が深まります。
身体を動かすこともメンタルケアには欠かせません。軽いストレッチやヨガなどの運動は、気分を前向きにするのに役立ちます。
こうした活動を取り入れることで、カウンセリング後の心のバランスが整い、カウンセリングがよりスムーズに進みます。
回復法3:カウンセラーに正直な気持ちを伝える
カウンセリング後の気持ちを回復するには、カウンセラーに正直な気持ちを伝えることが効果的です。
自分の気持ちや落ち込みの原因を伝えることで、カウンセラーは適切なサポートができ、カウンセリングの効果が高まります。
セッション後に感じたことを日記に記録しておくと、次回のカウンセリングで話したい内容が整理しやすくなります。たとえば、「前回の話し合いで不安を感じた」といった具体的な気持ちを書き出すと、話がスムーズに進みます。
また、カウンセリングの進め方について提案を求めるのも有効です。「もう少しゆっくり進めたい」など、自分に合ったペースを伝えることで、心が落ち着きやすくなります。
さらに、具体的な状況を挙げて気持ちを話すことも重要です。たとえば、「◯◯の話題で気分が落ち込みました」と伝えると、カウンセラーも対応しやすくなります。
こうした取り組みを通じて、自己理解が深まり、カウンセリングの効果がより実感できるようになります。
カウンセリングをやめたい・行きたくない時の対処法
ここからは、カウンセリングをやめたい・行きたくない時の対処法を、3つにまとめて紹介します。
- 落ち込む感情を受け入れる
- 即効性を期待しない
- カウンセラーを探しなおす
対処法1:落ち込む感情を受け入れる
カウンセリングをやめたい時は、自分の落ち込む感情をそのまま受け入れることが大切です。
落ち込む感情によって、カウンセリングの継続をやめようと考える人は少なくありません。それは、カウンセリングによる心の浮き沈みに疲れ、続ける自信をなくしてしまうためです。
しかし、カウンセリングによる落ち込みは、自己理解や回復のために必要な感情です。多くの人が経験する気持ちであるため、無理に抑え込まず、素直に認めましょう。
自分の心に優しく寄り添うことで、カウンセリングに向き合う余裕が生まれやすくなります。
対処法2:即効性を期待しない
カウンセリングに行きたくない気持ちを軽減するためには、即効性の期待をやめましょう。
カウンセリングは、時間をかけて心と向き合い、効果を発揮するものです。アメリカの研究によれば、最低でも11〜13回程度のセッションが必要だとされています。
カウンセリングに、短期間で劇的な変化を期待すると、結果との差に落胆してしまいます。そのため、カウンセリングは時間をかけて心の整理を進めていくものだと理解することが大切です。
長い視点で向き合うことで、少しずつ自分の変化や成長を実感しましょう。
対処法3:カウンセラーを探しなおす
カウンセリングをやめたいと感じたら、自分に合ったカウンセラーを探し直すことが大切です。
記事内で触れたとおり、カウンセラーとの相性は、気分の落ち込みに大きく影響します。カウンセラーとの相性が悪いと、話しにくさを感じたり、本音を打ち明けられないと感じたりすることがあります。
そのため、相性の良いカウンセラーを探すことは非常に重要です。例えば、資格を持つカウンセラーや、トラウマ治療など特定の分野に精通した専門家を選ぶと、悩みを深く理解してもらいやすくなります。
自分に合うカウンセラーの探し方を詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。
カウンセリング以外で気持ちを回復させる方法
実のところ、カウンセリング以外にも気持ちを回復させる方法は存在します。
ここからは、その方法を3つ紹介します。
- 休養と環境調整
- 運動療法
- ピアカウンセリングを利用する
方法1:休養と環境調整
心身の回復には、十分な休養とストレスを減らす環境作りが欠かせません。
厚生労働省によると、心身の疲労回復とストレス軽減には「休養」が必要です。休養は、「休む」ことで疲労を回復させ、「養う」ことで次への活力を生み出します。
具体的には、以下のような方法があります。
- 十分な睡眠時間の確保
- 長期休暇の取得
- 趣味やスポーツ
- ボランティア活動
これらの方法で、心身ともに休養し、落ち込む気持ちを回復させましょう。
また、ストレスを引き起こす要因や人間関係の見直しも大切です。必要に応じて、ストレス要因となる物や人と距離をとることで、負担を軽減できる環境を整えます。
休養と環境調整は、メンタルヘルスの改善と生活の質を向上させるために大切な方法です。
方法2:運動療法
カウンセリング以外で気持ちを回復させる方法として、運動療法があります。
運動療法は、体と心の健康を促進するために運動を活用する方法です。特にウォーキングやジョギングといった有酸素運動は、脳内でセロトニンやエンドルフィンの分泌を促進し、ストレスを軽減し、気分を高める効果が期待できます。
例えば、朝の軽い散歩や週に数回のジョギングを取り入れることで、ストレス解消に役立ち、精神的な健康も維持しやすくなるでしょう。また、運動は体力向上だけでなく、血圧や血糖値の改善、生活習慣病予防にも有益です。
始める際は、自分の体調や体力に合わせた無理のないペースで進めることが大切です。
方法3:ピアカウンセリングを利用する
カウンセリングが合わないと感じる場合、ピアカウンセリングを利用する方法があります。
ピアカウンセリングとは、似た経験を持つ仲間同士が対等な立場で対話し、互いに支え合うカウンセリング手法です。
境遇が似ているため、気軽に本音を話しやすく、共感や安心感を得られる可能性があります。そのため、カウンセリングとは違い、孤独感の軽減にも役立つ可能性がある療法です。
ピアカウンセリングについては、以下の記事で詳しく紹介しています。関心のある方は、ぜひ参考にしてください。
まとめ
今回は、カウンセリング後に落ち込む理由や回復方法について解説しました。
カウンセリング後に気分が落ち込む人は少なくありません。そのため、カウンセリングを「やめたい」「行きたくない」と感じることもあります。
しかし、適切な対処法を知ることで、気持ちを楽にすることができます。カウンセリング以外で気持ちを回復する方法もあるため、自分に合った方法を見つけてみてください。