「できれば費用をかけずに、カウンセラーの資格を取得したい…」
「独学で取得できるカウンセラーの資格ってあるのかな…」
費用をおさえるため、独学でカウンセラーの資格を取得したいと考えている方は多いですよね。
結論、カウンセラーの資格によっては独学での取得も可能です。ただし、独学での取得難易度や適切な勉強方法を知らないまま学習を始めては取得できないうえに、想定以上の時間や費用がかかりかねません。そもそも役立つ資格かの確認を怠れば、取得自体に意味がなくなってしまうケースも。
そこで本記事では難易度も交え、次の職種別に独学で取得できるおすすめのカウンセラー資格を紹介します。
- 心理カウンセラー
- 栄養カウンセラー
独学で取得する方法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
- 民間資格の中には独学でカウンセラー資格を取得できるものもある
- 心理カウンセラーを目指す方はメンタル心理カウンセラーがおすすめ
- 栄養カウンセラーを目指す方はヘルスフードカウンセラー検定がおすすめ
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独学でカウンセラーの資格は取得できる?
独学でカウンセラーの資格を取得することは可能です。
ただし、すべてのカウンセラー資格を独学だけで取得できるわけではありません。取得できるかどうかは、資格ごとで異なるのです。
通信講座や書籍で学べる民間資格がある一方で、公認心理師のように大学院での学習が必須となる資格もあります。
ここからは独学でカウンセラーの資格は取得できるかを、4つのポイントにまとめて紹介します。
独学のみでは取得できない資格もある
カウンセラーの資格の中には、公認心理師や臨床心理士など独学だけでは取得できないものがあります。
これらの資格は大学および大学院で指定された心理学の科目を履修したり、一定期間の実務経験を積んだりしないと受験資格が得られません。専門の教育機関で総合的に学ぶ過程が必須であるため、書籍や講座などを用いた勉強のみで資格を得るのは困難です。
次の見出しからは「カウンセラー資格を独学で取得する」というテーマに沿って、受験資格に学歴や実務経験が問われない民間資格を中心に解説します。
下記の記事では心理カウンセリングでより専門性の高い資格を紹介しているので、あわせてご覧ください。

カウンセラーに資格の取得は必須ではない
カウンセラーになるのに、資格は必須ではありません。資格がなくてもカウンセラーを名乗り、相談業務をすることは可能です。
しかし、資格は自身の知識やスキルを証明する手段となり、相談者からの信頼を得やすくなる利点があります。カウンセリングという専門的な分野では、相談者の心に深く寄り添うための知識と技術が求められるからです。
資格を取得したからといって必ずカウンセラーになれるわけではありませんが、資格取得を目指す過程はカウンセラーとして必要な基盤を築くことに役立ちます。
役立つ資格は目指す職種ごとで異なる
役立つカウンセラー資格は、目指す職種によって異なります。
カウンセラーが活躍する現場は、教育機関や医療機関などさまざまです。求められる専門性や役割が異なるため、自分の進みたい分野で役立つ資格を選びましょう。
目指す職種 | 役立つ資格の例 |
---|---|
スクールカウンセラー | 公認心理師、臨床心理士、学校心理士 |
産業カウンセラー | 産業カウンセラー、キャリアコンサルタント、公認心理師 |
医療機関のカウンセラー | 公認心理師、臨床心理士 |
民間の相談室 | メンタルケア心理士、メンタル心理カウンセラーなど各種民間資格 |
たとえば、学校で子どもたちの相談に乗るスクールカウンセラーを目指すのであれば、公認心理師や臨床心理士が有利になる傾向があります。一方で民間のカウンセリングルームで個人の悩みに寄り添うときは、メンタルケア心理士などの民間資格が役立つ場面もあります。
資格ごとで取得の難易度は変わる
カウンセラー資格は、種類によって取得の難易度が変わります。
公認心理師や臨床心理士のように大学院での学習が前提となる資格は、取得までの道のりが長いため難易度も高くなるのです。
一方で民間資格の中には指定された講座を受講し、試験に合格すれば取得できるものもあります。
カウンセラー資格を独学で目指すとき、まずは自分の現在の知識レベルや学習に使える時間や費用などを考慮しましょう。無理なく挑戦できる難易度の資格から始めるのがおすすめです。
また、始めやすい資格で基礎を固めてから専門性の高い資格へステップアップしていくのも賢明です。
独学でカウンセラーの資格を取得する方法
ここからは独学でカウンセラーの資格を取得する方法を、2つにまとめて解説します。
講座を活用する
講座活用のメリット | ・時間や場所に縛られずに学べる ・自分のペースで学習できる ・効率的なカリキュラムが組まれている |
講座活用のデメリット | 費用がかかる |
講座はこんな人におすすめ | ・短期間で集中的に学びたい ・学習の進め方に不安がある |
カウンセラー資格を独学で取得する際、講座を活用する方法があります。
講座を利用するメリットは、資格取得に必要な知識がまとめられたカリキュラムに沿って効率よく学習を進められる点です。
専門家が監修したテキストや映像教材を使って学べるため、初心者でもつまずきにくい工夫がされています。また、時間や場所に縛られずに学習できるのも魅力です。
具体的には下記の講座があります。
一方で、受講には数万円程度の費用がかかる点がデメリットとして挙げられます。しかし、独学でのカウンセラー資格取得をスムーズに進める上で講座の活用は有効な選択肢です。
下記の記事ではカウンセラー講座のおすすめを紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

本・書籍で勉強する
本で勉強するメリット | ・費用をあまりかけずに勉強できる ・自分の興味関心に合わせて深く学べる |
本で勉強するデメリット | ・強い意志と自己管理能力が必要 ・疑問点の解決が難しいときがある |
本での勉強はこんな人におすすめ | ・費用を抑えたい ・自分のペースでじっくりと学習を進めたい |
独学でカウンセラーの資格を取得する際、本や書籍で勉強する方法があります。
メリットは費用を抑えながら学習できる点です。
心理学の入門書から資格試験のテキストまで、さまざまな書籍が販売されています。そのため、自分のレベルや興味に合わせて教材を選べます。数千円程度の出費で始められる手軽さは、カウンセリングを学びたい方にとって魅力的です。
たとえば、下記の本や書籍を参考にしながら勉強しましょう。
しかし、本や書籍で学ぶ方法では強い意志が求められます。学習計画から進捗管理まですべて自分で行う必要があり、途中で挫折する可能性も考えられます。疑問点が生じた際に、質問できる相手がいないのもデメリットです。
講座と書籍での学習を併用し、それぞれの利点を活かすのがおすすめです。
【心理カウンセラー向け】独学で取得可能な資格3選
ここからは心理カウンセラーを目指す方に向け、独学で取得が可能なおすすめの資格を、厳選して3つ紹介します。
メンタルケア心理士
取得することで証明できること | 心理学とカウンセリングの基礎知識・技術 |
取得難易度 | 37点・超簡単(※1) |
取得独学におすすめの教材 | こころ検定2級公式テキスト・問題集 |
メンタルケア心理士は、心理学の基礎知識とカウンセリングの基本技術を習得していることを証明する民間資格です。
資格を取得する過程でカウンセリングの倫理や関連法規についても学べるため、実践的な知識が身につきます。医療や教育など幅広い分野で活用できる可能性があり、キャリアの選択肢を広げる助けとなるのです。
資格取得には、公的学会であるこころ検定®2級に合格する必要があります。学習には公式テキストや問題集が用意されており、独学で試験対策を進めるのが一般的です。
カウンセラー資格を独学で目指す上で、知識の土台をつくるのに適した資格といえます。
メンタル心理カウンセラー
取得することで証明できること | 心理学・カウンセリングの基礎知識、面談の技術 |
取得難易度 | メンタルケア心理士と同等 |
取得独学におすすめの教材 | 公式テキスト |
メンタル心理カウンセラーは、心理学の基礎理論からカウンセリングの実践的な技術まで幅広く学んでいることを証明する資格です。
メンタル心理カウンセラーを取得することで相談者の悩みや心の不調に寄り添い、問題解決をサポートするための基本的なスキルを有していると認められます。
資格認定を行う一般財団法人日本能力開発推進協会(JADP)が指定する認定教育機関の講座を受講します。カリキュラム修了後に在宅で受験できるため、自分のペースで学習を進めやすいのが特徴です。
カウンセリングの勉強を始めたばかりの方やカウンセラー資格を独学で取得したいと考えている方にとって、挑戦しやすい資格の1つです。
傾聴心理士
取得することで証明できること | 一般的な傾聴の理論とカウンセリングでの応用 |
取得難易度 | メンタルケア心理士より難しい |
取得独学におすすめの教材 | 資格養成講座の公式教材 |
傾聴心理士は、カウンセリングの基本となる「傾聴」のスキルに特化した資格です。
相手の話に深く耳を傾け共感的に理解する技術は、あらゆる対人支援の現場で必要とされています。この資格は傾聴の理論だけでなく、カウンセリング場面での具体的な応用方法まで習得している証明になります。
資格の取得には、一般社団法人日本傾聴能力開発協会(JKDA)が実施する資格養成講座の受講が必要です。講座は通信形式で提供されており、自宅で学習を進められます。
カウンセラーとしての基礎を固めたい方やコミュニケーション能力を高めたいと考えている方にとって、実践的なスキルを学べる有益な資格です。
【栄養カウンセラー向け】独学で取得できる資格3選
ここからは栄養カウンセラーを目指す方に向け、独学で取得可能なおすすめの資格を、厳選して3つ紹介します。
なお、上記を含め栄養カウンセラーにおすすめの資格をより詳しく知りたい人は、下の記事を参考にしてください。

NR・サプリメントアドバイザー
取得することで証明できること | サプリメントや健康食品の知識とカウンセリングスキル |
取得難易度 | 管理栄養士(※2)より簡単 |
取得独学におすすめの教材 | NR・サプリメントアドバイザー必携 |
NR・サプリメントアドバイザーは、健康食品やサプリメントに関する情報を提供できることを示す資格です。
一般社団法人日本臨床栄養協会が認定しており、サプリメントの有効性や品質に関して科学的根拠に基づいたアドバイスができる能力を証明します。
資格を取得するには、協会が提供する通信講座で学習し認定試験に合格する必要があります。独学で専門知識を深め、栄養指導のプロフェッショナルとして信頼性を高めたい方におすすめです。
健康志向が高まる現代において、サプリメントに関する的確なカウンセリングスキルは多くの場面で求められるようになります。
ヘルスフードカウンセラー検定
取得することで証明できること | 栄養学や調理学、医学 |
取得難易度 | NR・サプリメントアドバイザーと同等 |
取得独学におすすめの教材 | 日本ヘルシーフード協会公式テキスト |
ヘルスフードカウンセラー検定は、食と健康に関する幅広い知識を問う検定試験です。
日本ヘルシーフード協会が主催しており、栄養学や調理学などの視点から学びます。検定に合格することで、個人のライフスタイルや健康状態に合わせた食生活のアドバイスができる能力の証明につながるのです。
検定はレベル別に分かれており、自分の知識レベルに合わせて挑戦できます。公式テキストが用意されているため、カウンセラー資格を独学で目指す方でも学習を進めやすいです。
食を通じた健康支援に興味がある方に適した資格です。
臨床栄養医学指導士
取得することで証明できること | 疾患別の栄養指導や臨床栄養学の知識 |
取得難易度 | NR・サプリメントアドバイザーより難しい |
取得独学におすすめの教材 | 公式テキスト |
臨床栄養医学指導士は臨床栄養学に基づいた専門的な知識を持ち、病気に応じた栄養指導ができることを証明する資格です。
一般社団法人臨床栄養医学協会が認定しており、医療や介護の現場で求められる高度な栄養カウンセリングスキルを習得できます。
資格取得には、協会が指定する講座の受講と試験合格が必要です。独学で専門性を高め、栄養指導の専門家としてキャリアアップを目指す方に適した資格といえます。
下記の記事では栄養カウンセラーになる手順を4つにまとめて解説しているので、あわせてご覧ください。

まとめ
カウンセラー資格の独学は、選ぶ資格によっては十分に可能です。独学だけでは取得が難しい資格もありますが、民間資格の中には通信講座や書籍で学べるものが多く存在します。
本記事で紹介した心理カウンセラーや栄養カウンセラー向けの資格を参考に、キャリアプランに合う資格を探してみてください。
まずは挑戦しやすい資格から学習を始め、カウンセラーとしての第一歩を踏み出してみましょう。