「起業したいけど、失敗するのが怖い…」
「本当に1人でやっていけるのかな…」
起業したい気持ちはあるものの、失敗するのではないかと不安なカウンセラーは多いですよね。
適切に準備を進めれば、カウンセラーが起業し安定した収益を築くのは可能です。
ただ、自信や勢いのみで起業すれば「もっとしっかり準備しておけばよかった…」と後悔しかねません。
そこで本記事では体験談を交え、カウンセラーの起業が失敗する原因を解説します。起業すべきかを判断するポイントも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
- カウンセラーは儲かる仕事ではないため準備不足では失敗しやすい
- カウンセラーの起業が失敗する原因は集客と収入の不安定さがある
- 金銭を目的にしてカウンセラーとして起業するのは避けておく
カウンセラーの起業は失敗しやすい?
結論、起業が失敗するか、成功するかはカウンセラーの力量次第です。ここでいう力量とは、具体的に集客する方法や資金管理の知識など事業を運営する能力を指しています。
成功にはカウンセリングスキルだけでなく、経営者としての知識が不可欠だからです。たとえば、優れた傾聴スキルがあっても、集客する方法を知らなければ誰にもサービスを届けられません。また、事業計画を立てずに経営していると、収益が安定する前に資金が尽きてしまいます。
カウンセラーの起業が失敗する原因は専門性の低さではなく、経営者としての集客や資金管理の知識が欠けていることです。そのため、カウンセラーであると同時に経営者としての準備が必要です。
簡単に儲かる仕事ではない
大前提として「起業=簡単に儲かる」わけではありません。
収益化するまでに時間がかかり、専門スキル以外にも多くの労力を必要とします。カウンセリングは相談者との信頼関係が土台であり、実績のない個人が開業してすぐに信頼を得るのは難しいです。
また、安定した収益を得るためには、地道な集客活動が不可欠です。ビジネスの側面を理解せず「人の話を聞くだけで稼げる」というイメージだけで起業すると、理想と現実の差に直面し、失敗する可能性が高まります。
準備不足では失敗しやすい
カウンセラーが起業する際、準備不足では失敗するリスクが高まります。
市場のリサーチや集客ノウハウが欠けていると、事業として成り立たないからです。
競合や地域のニーズを調べずに開業すると、提供するサービスが誰にも求められないままになってしまいます。また、ホームページやX、Instagramなどで発信する方法を知らなければ、カウンセリングを必要とする方にサービスの存在を伝えられないのです。
リサーチや集客などを行わないとお客様を見つけられずに廃業する恐れがあるため、入念な準備をしておきましょう。
カウンセラーの起業が失敗する主な原因4つ
ここからはカウンセラーの起業が失敗する原因を、4つにまとめて解説します。
思うように集客できない
カウンセラーの起業で失敗する原因の1つが、思うように集客できない点です。
なぜなら、多くのカウンセラーが自身のサービスを必要とする人に情報を届けるための、具体的な集客スキルや知識を持っていないからです。カウンセリング技術の高さと集客力は別の問題となります。
たとえば「Instagramを毎日更新すれば誰かが見てくれるはず」と考えていても、ターゲット設定や有効な発信方法を知らなければ、誰の目にも留まりません。結果として、開業から数ヶ月間、全く問い合わせがない事態に陥る可能性があるのです。
カウンセリングの専門性とは別に、集客の知識が不足していることが起業の失敗原因となります。
初期費用・固定費の負担が大きい
初期費用や固定費の負担が大きいことも、カウンセラーの起業が失敗しやすい原因の1つです。
カウンセリングの売上はすぐに安定しない一方で、オフィスの家賃や広告費などの固定費は毎月発生します。そのため、資金計画が甘いと赤字が続いてしまうのです。
たとえば、都内でオフィスを借りて開業する際に、下記の費用がかかるとします。
- オフィス:月5〜15万円
- 広告費:月3〜5万円
- ホームページ維持費や予約システムの利用料:月1〜2万円
合計すると、売上がゼロでも毎月9〜22万円程度の固定費がかかる計算になります。
さらに、光熱費や通信費なども継続的にかかるため、売上がなくても支払わなければなりません。予約が少ない状況で固定費の支払いが続くと資金が底をつき、事業を続けられない状態に追い込まれます。
十分な自己資金を用意せずに開業してしまうと、売上が伸びる前に資金的な問題で廃業せざるを得なくなるのです。
収益構造に問題がある
収益構造に問題がある点も、カウンセラーの起業が失敗する原因の1つです。
ここでいう収益構造は、カウンセリングの料金設定が低いことを指しています。低い単価では予約が埋まっても事業を継続するための利益を確保できず、カウンセラー自身が疲弊してしまうからです。
たとえば、自信のなさや競合を意識するあまり、1時間1,000円で設定したとします。準備や記録の時間も含めると、時給はアルバイトよりも低くなるでしょう。単価を低いままにすると、どれだけ働いても生活費を稼ぐことすら難しくなります。
提供するサービスの価値を正しく評価し、事業として成り立つ料金を設定する視点がなければ長期的に活動を続けるのは難しいのです。
収益の安定まで時間がかかる
収益の安定まで時間がかかることも、カウンセラー起業が失敗する原因の1つです。
カウンセラーとしての評判が広まり、リピーターや紹介による新規客が増えるまでにはある程度の時間が必要になるからです。
たとえば、週5日間フルで稼働できる体制を整えても、実際の稼働率が50%に満たない月が続くかもしれません。とくに、会社員を続けながら副業としてはじめるケースや、限られた時間で活動するケースは得られる収益も少なくなりやすいです。
事業が軌道に乗るまでの間、収入が不安定な時期を乗り越えるだけの運転資金や生活費を準備しておかないと、途中で資金が尽きてしまいます。
カウンセラー起業失敗・体験談
ある40代の女性は心理学を学ぶのが好きで、資格を取得しカウンセラーとして開業しました。開業当初はやる気に満ちあふれ、SNSでの情報発信にも力を入れていました。
しかし、半年が経過しても問い合わせはほとんどなく、SNSを更新しても反応がない日々に虚しさを感じるようになります。次第に「自分はカウンセラーに向いていないのではないか」と自信を失ってしまったそうです。
体験談からは自分の強みや専門分野を明確にし、必要としている方に的確に情報を届けるという戦略が足りなかったことが失敗の原因と考えられます。カウンセリングスキルの質が高くても、戦略がなければ誰にも気づいてもらえないのです。
カウンセラーは起業すべき?
なかには、起業すべきか判断できない方もいますよね。
そこでここからは次のトピック別に、カウンセラーが起業すべきかを解説します。
「金銭目的のみ」の起業はNG
カウンセラーが金銭的な目的のみで、起業するのはやめましょう。
カウンセリングは相談者との信頼関係が基本であるからです。もしカウンセラーの言動から「売上が目的だ」という姿勢が見えてしまうと、相談者は安心して心を開けません。
たとえば、不要に高額なコースを勧めたり、相談時間を無理に引き延ばしたりするような行為は信頼を失う原因となります。失った信頼を取り戻すのは難しく、リピーターの獲得や口コミによる紹介も期待できません。
収益そのものが目的になってしまうと、カウンセラーの起業は失敗する可能性が高まります。
下記の記事ではカウンセリングルーム開業が儲かるか、具体的な計算方法を解説しているので、詳しく知りたい方は参考にしてください。

収益の安定には明確な理念が不可欠
カウンセラーが起業し収益を安定させるには、明確な理念が欠かせません。
理念は事業の軸となり、困難な時期を乗り越えるための原動力になるからです。
たとえば「自分と同じように苦しんだ経験のある人を支えたい」という理念があれば、どのような人にどんなメッセージを発信すればよいかが明確になります。
他にも、下記のような理念の例があります。
- 精神的な問題を抱える方の力になりたい
- つらい経験を乗り越えたことを役立てたい
- 自分が本当に必要だと感じるサービスを提供したい
明確な理念があれば、収益が上がらなくても簡単には心が折れません。活動の意義を信じて続けられるため、信頼が積み重なり収益の安定につながっていくのです。
カウンセラーが開業・起業する具体的な手順を詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

まとめ
カウンセラーとしての起業が失敗に終わる原因は、ビジネスとしての準備不足や見通しの甘さが挙げられます。
思うように集客できず初期費用や固定費の負担もかかるなどの点が、多くの方が直面する壁です。また、簡単にお金を稼ぎたいという動機だけでは事業を継続するのは難しいのです。
カウンセラーの起業を成功させるためには、明確な理念を決めましょう。ターゲット顧客を定め、どのようにサービスを届けるのかという具体的な戦略を立ててください。